事故死の夫の指輪を胸に 妻が加害者に向けた「一生抜けないトゲ」

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毎日新聞 2025/11/3 08:00(最終更新 11/3 08:00) 有料記事 2315文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷杉平裕紀さんの結婚指輪を手にする智里さん。指輪をネックレスにして裁判に臨んだ=東京・霞が関の司法記者クラブで、2025年9月17日午後6時半、安達恒太郎撮影 暴走する大型トラックの事故に巻き込まれ、夫の車は炎上した。命は一瞬で奪われ、当たり前だった家族の光景は失われた。 遺体の左手に残された結婚指輪。妻はこれを身につけて法廷に立った。だが、待ち受けていたのは刑事裁判の残酷な現実だった。 被害者と加害者の思いは交わることなく、判決が言い渡されようとしている。長女から「結婚したい」 「お父さんみたいな人と結婚する。二人みたいな夫婦になる」 2024年5月、夕食後のリビングで長女(16)がつぶやくと、杉平智里(ちさと)さんは夫の裕紀さん(当時42歳)と顔を見合わせた。 結婚してちょうど20年。会社員の裕紀さんは、出勤前に長男(19)と長女の弁当を作るのが日課だった。「家族最優先、思いやりの人」。かけがえのない存在だった。 長女の「結婚したい」宣言に、裕紀さんは少し照れくさそうにほほえんだ。 約1週間後の5月14日の昼。智里さんは夫の勤務先から電話で告げられた。 「杉平さんが事故に巻き込まれたかもしれない」 テレビをつけると、高速道路で車が炎上していた。「3人死亡」とニュースは伝えていた。 何度電話しても裕紀さんの携帯はつながらなかった。安否不明のまま、夜を迎えた。 智里さんが帰宅すると、裕紀さんが前夜に作り置きしたハンバーグが冷蔵庫にあった。子どもたちと泣きながら口にした。暴走した大型トラック 「帰るときは連絡する」 裕紀さんはこの日の朝、いつもと同じ言葉で家を出た。そして午前7時半ごろ、事故に巻き込まれていた。 会社のワゴン車を運転していた裕紀さんは、埼玉県戸田市の美女木ジャンクション付近の首都高速道路で渋滞の列に並んでいた。その最後尾に大型トラックが時速75~80キロで突っ込んだ。 車6台の玉突き事故。裕紀さんの他に2人が亡くなり、3人が重軽傷を負った。大型トラックの運転手、降籏紗京(ふりはた・さきょう)被告(29)が自動車運転処罰法違反容疑で現行犯逮捕された。 智里さんは、裕紀さんが亡くなった可能性が高いという状況は警察から聞いた。ただ、遺体の損傷は激しく、事故捜査の必要性からすぐに引き渡されることはなかった。 警察に一つのお願いをした。夫婦のイニシャルと結婚記念日が刻印された指輪をどうしても捜したいと。 その後、警察から電話があった。遺体の左手の薬指に指輪が残されていたという。智里さんは外出先で、人目をはばからず号泣した。 5月下旬、遺体の身元は裕紀さんと特定され、警察署で対面できた。「やっと会えたね。子どもたちは私が守るから」。泣きながら語りかけた。不倫相手とのLINE 起訴された降籏被告の裁判は25年5月に東京地裁で始まった。 被害者参加制度を利用した智里さんは検察官の後ろで傍聴した。裕紀さんも一緒との思いを込め、結婚指輪をネックレスにして首からかけた。 しかし、法廷で直面したのは、信じがたい被告の行動だった。…この記事は有料記事です。残り1112文字(全文2315文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>