毎日新聞 2025/11/3 06:45(最終更新 11/3 06:45) 1131文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷藤井賢治さん=三重県鈴鹿市国府町の藤井農場で2025年9月30日、長谷山寧音撮影 三重県鈴鹿市の「藤井農場」で副社長の藤井賢治さん(37)は、商社マンから転身して1年半が過ぎた。海外を飛び回る生活から一転、田畑と向き合う日々は今も試行錯誤が続く。「万全を尽くしても、天気が悪くなったら全て台無しになる可能性がある」とリスクを承知しながら、前職の経験を生かして、新たな農家のあり方を模索している。 祖父の代から営む農場ではコメやジャガイモなどを生産し、大手菓子メーカーとも取引を行う。肥料や農薬は自分たちで作ったものを使用するなど、こだわりも見せる。Advertisement 「なぜ商社を辞めて農業に?」とよく聞かれる。転身を決意したのは、日本の農産物を巡る海外の現場を実際に経験したからだ。 大学卒業後、同県四日市市にある食品関係の専門商社に就職した。約14年間、主に牛肉を仕入れるため、北米からヨーロッパまで世界を飛び回った。実際に交渉する中で、「良い食品、部位は全部海外に買われている。日本は海外に買い負けている」と感じたという。 「どんどん、(良い食品が)入りにくい状況になっている。食料自給率が上がるくらいまで農産物を作らなければ、この国は廃れてしまう」。日本の農業を自ら支えようと、2024年2月に商社を辞めて家業の農家を継いだ。 農家としての楽しみは「手をかければかけるほど、良い物が作れること」という。商社では、いかに良い物を安く仕入れるかが重要だった。商品を買う立場から売る立場になり、価値あるものを作り、消費者に届けることを意識している。自分で生産したコメを「おにぎり」などに加工して販売することが今の目標だ。 農業に従事する中、気がかりなのが農家の高齢化だ。「自分でもバテてしまうのに、ほかの農家は大丈夫なのだろうか。若い人が農業で生計を立てられるようにしないと、高齢化は止まらない」 少しでも若い担い手を増やそうと、新たな世代に農業の魅力を伝えるため、毎年6月と11月に鈴鹿市内の小学生らを対象に、ジャガイモやサツマイモの収穫体験を実施する。参加した子どもたちは「楽しい、またやりたい」とうれしそうに帰って行くという。「農業に興味を持ってくれる子どもが増えるとうれしい。汚い、古くさいという従来のイメージを少しでも払拭(ふっしょく)できたら」と願う。 最近のコメ不足で農家への関心が高まっていると感じる。よりよい農産品を生み出すため、挑戦を続ける。【長谷山寧音】藤井賢治(ふじい・けんじ)さん 1988年、鈴鹿市出まれ。幼稚園のころは家族で田植えをするのが日課で、「砂遊びをしている感覚だった」という。兄がいたため、「農家は長男が継ぐ」と思い、次男の自身は別の業種に進んだ。趣味はフットサル。休日は5歳の愛娘と遊園地に行くことが至福の時間。あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>