毎日新聞 2026/4/9 09:15(最終更新 4/9 09:15) 1344文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷通巻300号の入谷コピー文庫を手にする堀内恭さん(右)と和代さん=高知市で2026年3月24日午後0時9分、小林理撮影 フリー編集者の堀内恭さん(68)と妻和代さん(61)がコツコツと発行してきた冊子「入谷(いりや)コピー文庫」が、創刊から20年の2025年9月に通巻300号に達した。少部数を手作りし、読んでもらえそうな人に無料で郵送する、知る人ぞ知る「幻の小冊子」だ。 現在、堀内さん夫妻は東京都台東区入谷に住み、恭さんが高校まで過ごした高知市との間を往復する生活をしている。コピー文庫制作のきっかけは、恭さんが東京で編集を担当していた出版社が02年に倒産し、無力感に陥っていたころ。家の近所で一人で鉄工所を経営する男性と親しくなり、「会社でなくても、一人で本を作る道もあるのでは」とぼんやり考え始めたことだった。Advertisement 05年の創刊号は、俳優・谷よしのさんのインタビュー。谷さんは戦前から活躍し、映画「男はつらいよ」にワンシーンだけ登場することで有名な女優だ。谷さんのファンだった恭さんは、最近姿を見ない谷さんについて「今でもお元気だろうか」と新聞に投稿し掲載された。すると、谷さんの娘から連絡があり、谷さんに直接話を聞く機会が得られた。「聞いた内容をまとめたい」という思いからコピー文庫が誕生した。「谷さんにお送りしたら、喜んでいただきました」と恭さんは振り返る。これまで発行された入谷コピー文庫の一部=高知市で2026年3月24日午後0時11分、小林理撮影 「続けると決めていたわけではなかったのですが」(恭さん)、その後も発行は続いた。コピー文庫はA5サイズで10~20ページ程度。表紙はデザイナーに依頼し、原稿も含めて近所のコンビニでコピーしてホチキスで綴じる。発行部数は15部が基本で少し増やす回があっても最大25部。執筆者への謝礼、図書券500円分を加えても1号あたり1万円程度で納める。 記念すべき300号は俳優・緒形拳さんの言葉をまとめたものにした。恭さんがきちょうめんな文字でメモに書きためた言葉を、和代さんが活字にして原稿にした。これまでのテーマは好きな人の語録以外にインタビューや、病気、商店街、文庫になった芥川賞作品などさまざま。「この人なら」と思う人に依頼して書いてもらうことも多く、執筆陣は古書店主、ライター、漫画家、市井の人など幅広い。無料で「送りつける」先は執筆者と知り合いが中心でテーマに関係した人に直接送ることもある。脚本家の山田太一さんに語録の冊子を送ったところ、「丁寧な感想をいただきました」。手作りで少部数、つてがないと入手困難なため、「幻の小冊子」と呼ばれることもある。 執筆依頼と返送は郵送で行っている。そもそも恭さんは携帯電話を持たない。「映画評論家の川本三郎さんがどこかで書かれていたと思うのですが、『人間はいずれ時代に取り残されていく。どこで取り残されていくかは自分で決めなきゃいけない』という言葉がね。時代遅れが好きなんです。こういうコピーの冊子でも、喜んでくれる人がまだいると思うと、今のやり方で続けたいなと思います」 製本して定価をつけて広く売りませんか、と誘われることもある。しかし「(恭さんの)個人的な思い入れというか、頑固な性格があってそれは難しい」(和代さん)。郵送を終えると、読んだ人の感想を楽しみに待つ。そんな「時代遅れ」で、日本で20人前後にしか届かない幻の小冊子は、これからも人間の手触りを大切にして号を重ねてゆく。【小林理】あわせて読みたいAdvertisement1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>