現代のLinuxがWindows 95で蘇る?「WSL9x」の衝撃

Wait 5 sec.

かつてMicrosoftがリリースしたWindows 95や98、MEといった「Windows 9x」シリーズは、一般ユーザー向けのOSとして一斉を風靡しました。今となっては懐かしの存在ですが、そんなレトロOS上で最新のLinuxカーネル 6.19を直接動作させるという、夢のプロジェクト「WSL9x」が登場しました。MicrosoftがWindows 10/11で提供している「WSL(Windows Subsystem for Linux)」は、今や開発者にとって欠かせないツールです。オープンソース開発者のHailey氏が作成した「WSL9x」は、そのコンセプトを懐かしいOSへと持ち込んでいます。仮想化技術を使わない驚きの仕組みWSL9xの最も興味深い点は、ハードウェアによる仮想化支援を一切必要としないことです。通常、異なるOSを同時に動かすには現代的なCPUの仮想化機能が使われますが、このプロジェクトはi486のような、Linuxカーネルのサポート対象から外れつつある古いアーキテクチャでも動作するよう設計されています。技術的には、ユーザーモードLinux(UML)アーキテクチャを利用してコンパイルされたパッチ済みのカーネルが中核を担っています。Windows 9xには標準的なLinuxシステムコールを受け取る仕組みが備わっていませんが、専用の仮想デバイスドライバー(VxD)がそれらをフォールトハンドラ経由でリダイレクトすることで、WindowsとLinuxの「共存」を実現しているのです。MS-DOSプロンプトからLinuxを操る実際の操作感も非常にユニークです。wsl.comというわずか16ビットのDOSプログラムを実行すると、使い慣れたMS-DOSプロンプトのウィンドウ内に、そのままLinuxのターミナル出力がパイプされます。これにより、Windows 9xのデスクトップ上で他のアプリケーションを使いながら、同時に最新のLinux環境を操作するという不思議な光景が現実のものとなります。実用か、ロマンか現在のところ、WSL9xはバイナリ形式では配布されていないため、利用するにはソースコードからビルドする必要があります。セキュリティサポートが終了して久しいWindows 9xをネットワークに繋ぐことにはリスクも伴いますが、古いハードウェアに新しい命を吹き込むこの試みは、技術ファンにとって魅力的な「ロマン」に溢れた挑戦だといえます。[via IT'S FOSS]