亡き部員の「卒業」かなえ 思い胸に東福岡が臨む花園 高校ラグビー

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毎日新聞 2025/12/30 09:00(最終更新 12/30 09:00) 1424文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷東福岡ラグビー部の藤田雄一郎監督=福岡市博多区で2025年12月11日、玉城達郎撮影 27日に東大阪市花園ラグビー場で開幕する第105回全国高校ラグビー大会に、26大会連続で出場する東福岡(福岡第1)。過去3度の花園優勝に導いた就任14年目の藤田雄一郎監督(53)は、特別な思いを胸に大会に臨む。2007年の花園前に列車事故で亡くなったラグビー部員、広木淳(あつし)さん(当時18歳)の卒業が今年、認められたからだ。当時コーチだった藤田監督は「18年前を今でも鮮明に覚えている」と振り返る。 07年12月14日。18回目の花園出場を目前に控えていた東福岡は「フォワード(FW)強化週間」と銘打ってFWの強化に力を入れていた。運動量や機動力を求められ、攻守で体を張るFWの「フランカー」というポジションだった広木さんは、強化週間最終日のこの日、最後までタックル練習をしていた。「お前は(自宅が)北九州なんだから、はよ帰りよー」と藤田監督は声を掛けた。Advertisement 事故の一報が入ったのは、大学関係者と食事をしていたその日の夜だった。広木さんは帰宅途中だった午後11時過ぎ、北九州市小倉北区のJR日豊線踏切で列車にはねられ、亡くなった。事故が起きる前に、広木さんは家族に「今から帰る」と携帯電話でメールを送っていたという。 「FW強化週間なんて作らなければ良かったのかな」「もっと早く帰らせておけば良かったのか」。藤田監督は唇をかんだ。東福岡の藤田雄一郎監督が免許証と一緒に持ち歩いている広木淳さんの写真。激しいタックルをするため、目尻からほおにかけて常に肌がただれていた=藤田監督提供 広木さんは身長170センチ、体重60キロと小柄ながら高校日本代表候補にも選ばれていた。低いタックルで誰よりも体を張り、チーム一のディフェンス(防御)力を誇った。目尻からほおにかけて常に肌がただれていたのは、激しいタックルをしている証しだった。 広木さんが亡くなり、チームは練習をほとんどできないまま花園に出発した。だがチームは一丸となり、伏見工との決勝では試合終了までの15分間、全員が広木さんのように体を張って相手の波状攻撃を防ぎトライを許さず、12―7で勝利。悲願の花園初優勝を果たした。 藤田監督は広木さんの写真を自分の免許証と一緒に持ち歩き、学校の机にも挟んでいる。広木さんは大学ラグビーの名門・同志社大への進学が決まっており、写真は受験票を提出する際に使ったものだった。「あっちゃん(広木さんの愛称)はほおがずっとただれていた。この写真、好きなんです」。藤田監督は写真を見つめながら目を細めた。東福岡のラグビー部だった広木淳さんの「特別卒業証書」を受け取った母ますみさん。部員たちは広木さんの背番号「6」のジャージーを着用していた=福岡市博多区で2025年12月11日、玉城達郎撮影 藤田監督や当時の同級生らは広木さんの卒業を認めるよう学校に求め、ようやく今年、念願がかなった。12月11日、徳野慎一郎校長から「特別卒業証書」が母ますみさん(64)に手渡され、当時の同級生や現役部員らがグラウンドでセレモニーを実施。選手数人は広木さんが付けていた背番号「6」のジャージーを身につけて参加した。 藤田監督は「やっとあっちゃんの同級生やお母さんと約束を果たせた」と胸をなでおろした。広木さんのことをトレーナーから聞いたというウイング(WTB)の平尾龍太副主将(3年)は「今、東福岡で試合ができる僕は幸せ者。やりたくてもできなかった人の分まで、一日一日、悔いのないように過ごしたい」と話した。 東福岡は今大会で決勝に進めば、花園で通算100勝となる。藤田監督は「現役生が生まれたばかりの頃にこういう出来事があったこと、花園に行けることや試合をすることは当たり前じゃない、ということが分かってくれれば、勝っても負けても完全燃焼してくれるはず。花園100勝に近づきたい」と語気を強めた。【尾形有菜】【時系列で見る】関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>