Microsoft、AIでx64コードをArm64へ自動変換する「Project Strong ARMed」を始動

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Microsoftが、x64ベースのソフトウェアをArm64へ効率的に移植するためのAI主導プロジェクト「Project Strong ARMed」を始動していることがわかりました(Windows Latest)。2025年末に公開された求人情報によると、このプロジェクトは、MicrosoftのE+D(Experiences & Devices)部門で進行中で、x64ベースの大規模コードをAIとプログラム解析で自動変換することを目的としています。Arm64への移行を加速し、将来的なWindowsやMicrosoft 365の基盤強化を狙うもので、AIエージェントの活用がキーとなっています。AIエージェントは以下のような作業を自動で行うとされています:リポジトリをスキャンし、移植できないコードを検出コードやビルドファイルの修正非対応APIの置き換えCIパイプラインの更新テスト実行とPR(プルリクエスト)作成人間のエンジニアが行う移植作業をAIが代行するイメージとなっています。Arm64 移行が難しい理由x64からArm64の移植は「再コンパイルすれば終わり」ではありません。x64固有のコードパスやネイティブライブラリ、ドライバ、ビルドスクリプト、ツールチェーンが存在し、パフォーマンスの検証も欠かすことができません。手作業だと数年〜数十年規模になる可能性もあり、AIによる自動化が重要になります。Arm64 Windows の未来にどう影響する?「Project Strong ARMed」は現在のところ、Windowsクライアント向けではなく、Azureなどクラウド領域が中心と見られています。MicrosoftのArmサーバー向けSoC「Cobalt 100」の採用拡大が背景にあり、内部ツールやサービスのArm64 最適化が急務となっているからです。とはいえ、Arm64最適化が進むことでWindowsクライアントにも恩恵が波及する可能性はあります。Arm64 PCの性能・バッテリー持ちの良さはすでに評価されつつあり、Intel/AMD 依存からの脱却を望む声も増加しています。MicrosoftによるArm対応が進めば、アプリ互換性も改善することが期待できます。まとめProject Strong ARMed は、MicrosoftがArm64への大規模移行を本気で進めるためのAI主導プロジェクトといえそうです。クラウド中心の取り組みながら、将来的にはWindows全体のArm 対応を押し上げる可能性を秘めています。