有料記事原知恵子2025年11月2日 6時00分「緊急銃猟」を想定した訓練で最前線に立つ札幌市ヒグマ防除隊の玉木康雄隊長(左から2人目)=2025年8月、札幌市西区、原知恵子撮影 196万人が暮らす札幌市で今秋、人の生活圏へのヒグマ出没が後を絶たない。人身被害や農業被害のほか、学校の休校が相次ぐなど、市民の暮らしも脅かされている。 その対策の最前線に立っているのがハンターだ。 札幌市の「ヒグマ防除隊」は現在35人。北海道猟友会札幌支部の志願者で構成された民間組織だ。 単独で山に入って獲物の痕跡をたどり気配を潜めて接近する「忍び猟」の経験値、立った姿勢でも50メートル先の標的に命中できる正確な射撃能力、突然ヒグマに遭遇しても冷静さを失わない精神力・判断力、熟練した銃の取り扱い、法令理解や指揮の順守――。 クマ撃ちができるほんの一握りのハンターから、毎年、支部内の厳格な試験を経て選抜する仕組みという。 猟友会は、狩猟免許の所持者による趣味の団体だ。 同支部によると、今年の防除隊員は全員、狩猟以外で生計を立てている。「本業」がある人が約7割、リタイアした人が約3割。「自分の特殊スキルを社会の役に立てたい」「市民を守りたい」という使命感で、危険が隣り合わせの任務に志願しているという。「クマ殺すのはかわいそう」と言う人へ 隊長を務める玉木康雄さん(63)も、ふだんは老舗日本茶専門店「玉翠園」(札幌市中央区)の代表取締役だ。 ハンターになった一番のきっかけは祖父の遺言という。 「水がおいしく飲めなくなったらお茶屋は終わる。水源地の森を守れ」 高度成長期のあるとき、祖父は、札幌の水道水が赤く濁った瞬間を目の当たりにした。水道局に問い合わせると、上流の宅地造成工事が影響した可能性がある、という。 「このままのペースで森が削…【30周年キャンペーン】今なら2カ月間無料で有料記事が読み放題!詳しくはこちら相次ぐクマ被害クマが人の生活圏に出没するケースが増え、人身被害も相次いでいます。被害現場の取材を通して見えたものや対策、専門家の知見をまとめます。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月2日 (日)DNA型提出を複数回拒否自動車メーカー 展示さまざま山手線 丸くなって100年11月1日 (土)ガソリン旧暫定税率 廃止決定日中首脳が会談備蓄米の買い戻しを検討10月31日 (金)米中首脳会談、両者歩み寄り政府、クマ対策を議論日銀が追加利上げ見送り10月30日 (木)リニア新幹線、工事費4兆円増防衛費増額、米側に伝えるクロスワード日本登場100年トップニューストップページへ「家賃払ってきたかいが…」アパートで現場検証 26年前の女性殺害23:06未解決殺人の現場、4割で建物消滅 名古屋の事件は遺族が自費で保全6:00大谷翔平は「1番投手兼DH」、中3日で登板 ドジャース連覇なるか6:05映画監督の阪本順治さん、脚本家の宮藤官九郎さんらに紫綬褒章5:00高市首相が台湾代表と会談 APEC開催の韓国で 中国側は抗議20:23自維連立で候補者擁立どうなる? 次の衆院選、気をもむ愛知の議員6:00