ヒグマに襲われた息子、GPSに残った最期 両親「二度と被害を…」

Wait 5 sec.

有料記事神村正史2025年12月10日 8時00分事故当日、登山中の被害者の足取りを記録したGPS時計。現在は父親の曽田忍さんが使用している=2025年11月9日午後4時51分、神村正史撮影 北海道の世界自然遺産・知床にある羅臼岳(標高1661メートル)で8月、下山途中にヒグマに襲われて亡くなった男性(26)のGPS記録が残っていた。関西に住む男性の両親が、「二度と息子のような被害者を出して欲しくない」との思いから朝日新聞の取材に応じ、詳細を語った。 その記録は男性が装着していたGPS時計が計測していた。衛星から位置情報を取得し、移動したルートや距離などを記録するもので、父親の曽田忍さん(60)と母親が遺品として受け取った。 記録された軌跡は、登山道から突如、山林の斜面下へずれ、やぶが広がる場所で小刻みに震え、円を描いたり、同じ場所を繰り返し通過したり。時計には心拍計測機能もあり、男性の心拍は登山道から100~130メートル付近で断絶した。そこで亡くなったとみられる。 時計はこの位置で一晩動かなかった。しかし、翌朝午前9時ごろから再び動き出し、付近のやぶの中を数百メートル移動した。ヒグマが男性の遺体を引き回したことがうかがえる。突然の「すごい声」、斜面下から「助けてくれ」 事故は8月14日午前11時ごろに起きた。男性は羅臼岳に友人と2人で登頂。友人から200メートルほど先行して下山中、通称「560メートル岩峰」付近でヒグマと遭遇したとみられる。襲われた瞬間を目撃した人はいなかった。 曽田さんが友人に聞いた状況…この記事を書いた人神村正史網走支局長|知床、オホーツク地方専門・関心分野知床、マラソン、山岳、海洋、ドローン撮影相次ぐクマ被害クマが人の生活圏に出没するケースが増え、人身被害も相次いでいます。被害現場の取材を通して見えたものや対策、専門家の知見をまとめます。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ12月10日 (水)後発地震注意情報を初発表「危険運転」に数値基準案妊娠めぐる規定見直し要望12月9日 (火)感染症ODA、日本が半減へタイ、カンボジアに空爆本州で唯一クマいない千葉県12月8日 (月)中国軍機がレーダー照射公明「発祥の地」で撤退論消える「宮型」霊柩車12月7日 (日)FIFA トランプ氏に「平和賞」サッカーW杯 オランダと初戦高齢者の医療費 負担見直しへトップニューストップページへ補正予算案、臨時国会会期内での成立公算大 国民民主が賛成で調整6:00津波警報の発表中にグーグル検索、AIが「すべて解除」と誤情報5:00「レーダー照射前の日中の艦船の交信」とする音声公開 中国メディア0:13「90日以内に選挙の用意」ゼレンスキー氏 和平合意に向け譲歩か7:15マチャド氏の前日会見は異例の中止、授賞式も不透明 ノーベル平和賞5:00ヒグマに襲われた息子、GPSに残った最期 両親「二度と被害を…」8:00