京都・嵐山周辺にもクマ 府内各地注意呼びかけ 「域外」初の出没も

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木子慎太郎2025年11月5日 12時00分観光客でにぎわう嵐山・竹林の小径=2025年10月31日午後0時54分、京都市右京区、木子慎太郎撮影 クマの出没が京都府内でも相次いでいる。今年は紅葉シーズンを控える観光地のほか、住宅地に近い場所での目撃も目立っており、緊張が広がっている。 海外からの観光客らでにぎわう嵐山。名所「竹林の小径(こみち)」近くで10月25日、子グマの目撃情報があった。右京区の嵯峨野や太秦付近では24~28日にかけて8件の通報が。観光で東京都から訪れた駒田るみ子さん(66)は「クマが出るかなと思い、登山で使うクマよけの鈴を念のため持ってきました」。クマよけの鈴を持って嵐山を訪れた観光客=2025年10月31日午後1時12分、京都市右京区、木子慎太郎撮影 嵐山にほど近い右京区の大仙寺では、近くで目撃情報があり、門前に「熊出没注意」と貼り紙をした。寺の元住職、松蔭聞昭さん(80)は「知らずに来る人も多いから、少しでも気をつけてもらえれば」と話す。一方で、「クマが出た出たと言いすぎると、お参りに来る人が心配する。収束してくれたらええんですけど……」。大仙寺門前に貼られた自作の注意書き=2025年10月31日午後2時43分、京都市右京区、木子慎太郎撮影 府によると、クマの目撃情報や「足跡を見た」などの通報をまとめた「出没件数」は、今年4月から10月で計932件。過去2番目に多かった昨年度(1909件)ほどではないが、住宅地や観光地周辺からの通報が目立つ。嵐山周辺について府の担当者は「裏山は丹波地域に連なり、クマがいてもおかしくない」とする。 今年は、「域外」とみられてきた地域での目撃があるのも特徴だ。 府南部の木津川市では、記録の残る2007年度以降で出没が確認された例はなかった。今年5月、ツキノワグマが初めて確認され、10月までの目撃情報は計40件。国史跡の恭仁宮(くにきゅう)跡周辺でも目撃され、市は7月、市立の小中学校にクマよけの鈴を配布するなどの対策をとった。クマが目撃された住宅街近くの電柱に貼られた注意書き=2025年10月31日午後2時10分、京都市右京区、木子慎太郎撮影 人的被害も出始めている。府北部の舞鶴市では10月8日、市内の40代男性が玄関先の柿の木にいた体長約70センチのツキノワグマに左腕をひっかかれてけが。今月2日には、京丹後市で市内の80代男性が集落内の柿の木を見ていたところ、現れたクマ1頭に襲われ、頭や右の太ももをひっかかれてけがをした。 各自治体は対策に乗り出している。舞鶴市では10月から、スマートフォンで24時間通報できる「クマ出没通報システム」を導入。これまでに16件の通報が寄せられた。 踏み込んだ対策を検討する自治体もある。同じ北部の与謝野町では、クマが人家近くに出た際に備え、9月に施行された改正法で、市町村の判断により市街地でも発砲を認める「緊急銃猟」制度を踏まえた今後の対応策を検討している。町によると、過去20年の出没で、緊急銃猟が当てはまる事例は1件だけだが、山添藤真町長は「しっかり猟友会と議論を深めていく」とする。 府や京都市も5日、クマ出没への対策会議をそれぞれ開くことにしている。【30周年キャンペーン】今なら2カ月間無料で有料記事が読み放題!詳しくはこちら相次ぐクマ被害クマが人の生活圏に出没するケースが増え、人身被害も相次いでいます。被害現場の取材を通して見えたものや対策、専門家の知見をまとめます。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月5日 (水)外国人政策で閣僚会議初会合自衛隊 クマ対策後方支援へ犯罪被害者支援 手帳導入へ11月4日 (火)北朝鮮に首脳会談呼びかけ「国立大は今後減る」53%王貞治さんらに文化勲章11月3日 (月)ドジャース、2連覇未解決殺人事件 4割建物消滅暖房器具の事故、5年で596件11月2日 (日)DNA型提出を複数回拒否自動車メーカー 展示さまざま山手線 丸くなって100年トップニューストップページへ日経平均が一時5万円割れ、2400円超下落 AI銘柄の過熱感警戒11:51高市首相、裏金関与の佐藤副長官に「再起の機会を」 理解求める答弁11:41「運転手が発作」兵庫・加古川の多重事故、死亡した男性の同乗者説明9:44京都・嵐山周辺にもクマ 府内各地注意呼びかけ 「域外」初の出没も12:00結婚相談所、若者の間で人気上昇中 透けて見えるタイパ重視と照れ12:00イヌ・サル・キジも…桃太郎一行、米国で姿消す 日本寄贈の銅像盗難12:00