実は一発勝負の「アート魚拓」 森内広海さん「質感伝わるよう」

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毎日新聞 2025/11/16 10:45(最終更新 11/16 10:45) 1256文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷森内広海さんの作品「ブダイとグレ」=本人提供写真一覧 絵画でも写真でもない「アート魚拓」。魚拓といえば、釣り上げた魚の大きさを記録するために真っ黒な墨で写し取ったものをイメージするが、大阪府八尾市の森内広海さん(66)は、アートとして色鮮やかな魚拓を手がける。目玉以外は一切、加筆修正をしない。一発勝負で仕上げる手法で一期一会ならぬ、「一魚一会」の思いを込めている。【前本麻有】 微細な線で浮き上がるうろこや背びれ。生き物が持つ自然の美を、そのままに写し出す。 アート魚拓は、日本画家の松永正津さん(1939~2023年)が考案し、1977年に「東洋魚拓 拓正会(たくせいかい)」を設立。松永さんが亡くなった後、2024年から森内さんが2代目会長を務めている。Advertisement 画材は水性アクリル絵の具。メーカーや色によっては有害性のある絵の具もあるため、安全性の高いものを選ぶ。なぜなら魚拓をした後は「洗って料理し、命をいただいています」と食べるからだ。「アート魚拓」を手がける森内広海さん=大阪府八尾市で2025年10月25日午後2時16分、前本麻有撮影写真一覧 創作に取りかかる際、魚をじっと見つめ、静かに手を合わせる。魚の水分を丁寧に拭き取り、針や糸で背びれを広げ、粘土で固定する。この下準備が仕上がりを大きく左右する。 絵の具は30分ほどで乾くため、着色はスピード勝負だ。手早く魚の色を調合し、大胆に筆を魚体に走らせては絶妙なグラデーションを付けていく。輪郭などは慎重な筆運びで、和紙をのせて指やヘラなどで丹念に写し取っていく。 かすれや色が抜けてしまった部分があっても個性の一つ。あれこれ加筆すると魚拓ではなくなってしまう。紙の白さを生かし、構図で躍動感を出し「水を描かずに水を表現する」ことにもこだわる。 英語で魚拓はそのまま「Gyotaku」と呼ばれ、最近はフランスやドイツなど海外観光客や在日外国人の体験希望が相次ぐ。「魚の匂いやぬめり、質感が伝わるような作品を目指している。生々しいリアルな体験が外国の人にウケてるんかな」 もともと釣りが趣味。釣り雑誌に掲載されていた松永さんの作品に目を奪われ、1996年に拓正会に入会。「芸術や職人の世界では『師匠の技を見て盗め』といわれますが、松永さんは『何回も言うたで?』とみっちり教えてくれるタイプ」と笑って振り返る。モットーは「やってみなはれ」だ。 アート魚拓を始めて、まもなく30年。使用する広島・熊野筆や岐阜・美濃和紙の職人が代わったことで質も変わったという。扱う魚も「全体的に小ぶりになったと思う」と時代と環境の変化を感じている。それでも「ありのままの魚の姿を発信し続け、会員を増やしたい」と力を込めた。もりうち・こうかい 1959年、大阪府八尾市出身。96年に拓正会入会。幼稚園バス運転手の勤務をしながらアート魚拓の創作を続け、2024年に2代目会長就任。モチーフとしてお気に入りの魚はマダイ。メモ 拓正会は大阪市の西淀川区民会館で8月以外は毎月2回、教室を開催。入会金5000円、月会費4000円(会場費や魚代など含む)。森内さんの作品を掲載したインスタグラム(@art_gyotaku_m.koukai)。あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>