有料記事編集委員・吉田伸八2025年11月13日 6時00分DNA型を鑑定する機器=千葉県柏市の警察庁科学警察研究所、2015年12月、吉田伸八撮影 1999年11月に名古屋市のアパートで高羽(たかば)奈美子さん(当時32)が殺害された事件は、26年を経て、愛知県警が同市のアルバイト安福(やすふく)久美子容疑者(69)を殺人容疑で逮捕した。 今回の事件の捜査では、現場に残された犯人のものとみられる血痕と容疑者のDNA型が鑑定で一致し、容疑者の関与を示す決め手の一つとなったとされる。 DNA型鑑定は最近の警察の捜査で、防犯カメラの映像とともに容疑者特定のための大きな手立てとなっている。警察による鑑定の実施件数は年間25万~26万件にのぼる。 警察庁の統計では、2024年に検挙した刑法犯約27万6千件のうち、容疑者を特定した主なきっかけがDNA型鑑定だったのは1043件。凶悪犯全体では6064件のうち157件、うち殺人では861件のうち10件あった。DNA型鑑定と名古屋女性殺害事件をめぐる経緯 殺人でのこの数は年間10件弱ずつで推移。罪種別にみると、不同意性交等や不同意わいせつ、窃盗などで件数が多い。 警察は、逮捕や取り調べをした容疑者からDNAを採取するとともに、現場に犯人が残したとみられる遺留物からも採取して、鑑定で判明したDNA型を警察庁のデータベースに登録している。登録件数は24年末現在、容疑者のものが約185万件、遺留のものが約2万5千件ある。遺留物のDNA型を容疑者のデータベースに照会して容疑者が判明したのは24年は2590件あった。第三者のDNAが混入したケースも 今回の捜査では、データベー…【30周年キャンペーン】今なら2カ月間無料で有料記事が読み放題!詳しくはこちらこの記事を書いた人吉田伸八編集委員|警察庁担当専門・関心分野警察行政、事件、犯罪こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月13日 (木)捜査情報漏らしたか 警官逮捕斎藤元彦・兵庫知事を不起訴知床の遊覧船沈没、無罪主張11月12日 (水)殺傷力ある武器、輸出拡大へ俳優の仲代達矢さん死去 92歳Suicaのペンギンが「卒業」へ11月11日 (火)議員定数削減、自維で温度差米政府機関の閉鎖、解除へ減る東京の農地 都が支援に力11月10日 (月)NHK党の立花容疑者を逮捕葬儀料金めぐるトラブル多発4人の遺族 米オープンAI提訴トップニューストップページへ「内部にスパイがいる」 警視庁の5年を超える捜査と身内の裏切り14:15高市首相「政治とカネ」で防戦 議員定数削減で維新も圧力、三重苦に5:00教団に1億円献金の母親出廷、何を語るか 山上被告の「宗教的背景」6:00株主重視の負の側面か 相次ぐ上場廃止「会社は誰のためのものか」6:00「ふざけるなと叫びたくなった」 知床遊覧船事故初公判に家族憤り16:40山本由伸が都城高で築いた基礎、投手転向前のポジションと育成の意図17:30