有料記事南島信也2025年11月14日 16時45分ひき逃げの現場となった県道。地元自治会の協力で、県道に面していた危ないごみの回収場所は移転された=2024年1月31日午前10時42分、静岡県沼津市松長、南島信也撮影 静岡県沼津市内の県道で昨年1月、トラックの荷台側面のパネルが開いたまま運転し、道路脇にいた親子にぶつけて死亡させ走り去ったとして、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)の罪に問われた魚販売業、五味孝行被告(87)=同市=の判決公判が13日、静岡地裁沼津支部であった。薄井真由子裁判長は懲役5年6カ月(求刑懲役7年)を言い渡した。 判決によると、五味被告は昨年1月15日午前5時半ごろ、同市松長の県道で、トラックの荷台左側のパネルが固定されているか確認せず運転。開いた状態のパネルを、路側帯のゴミ集積所にいた男性(当時33)と女性(同59)に衝突させて死亡させ、救護活動をせずに走り去った。2人は親子で、当番としてごみネットを取り付けていた。人身事故を起こした認識はあったのか 被告は事故を起こしたことは認める一方、ひき逃げは否定。「人身事故の認識がなかった」などと主張していた。 判決は、衝突実験の結果、相当の衝撃があったと裏付けられたことや、現場に親子がいたと被告が認識していたことなどから、「人に死傷結果を生じさせたかもしれないとの未必的認識があった」と指摘。ひき逃げが成立するとした。 薄井裁判長は「被害者の無念さは言葉に尽くしがたく、遺族が喪失感に苦しみ強い処罰感情を有していることも十分理解できる」としたうえで、「年齢からくる心身の状況を勘案しても、自己の責任への自覚に乏しい」と量刑の理由を述べた。トラックのパネル直撃 特異な事故 事件発生から2年近くたち、公判は計11回に及んだ。「人生100年時代」の到来を前に、高齢者による交通事故がもたらす悲劇と、車に依存する地方都市の交通行政の難しさが浮き彫りになった。 五味孝行被告(87)が静岡県警に逮捕されたのは事件から5日後の2024年1月20日だった。防犯カメラなどから割り出したものの、トラックの荷台パネルが衝突した特異な事案で、どんな角度でぶつかり2人を死亡させたかなどを証明するハードルは高かった。 公判は昨年9月に始まり、今…【11月25日まで】全記事が読み放題のコースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちらこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月14日 (金)総合経済対策案を与党に提示山上被告の母、遺族らに謝罪警察官がクマ駆除可能に11月13日 (木)捜査情報漏らしたか 警官逮捕斎藤元彦・兵庫知事を不起訴知床の遊覧船沈没、無罪主張11月12日 (水)殺傷力ある武器、輸出拡大へ俳優の仲代達矢さん死去 92歳Suicaのペンギンが「卒業」へ11月11日 (火)議員定数削減、自維で温度差米政府機関の閉鎖、解除へ減る東京の農地 都が支援に力トップニューストップページへ立花孝志容疑者、罪認めて謝罪し示談進める方針 弁護人が動画で公表16:40ニデック、800億円超の損失や債務を計上 相次ぐ不適切会計問題で16:20高市首相「15年前の服も出して…」 閣僚給与削減で脱線気味の論戦16:00ナシを食らうクマ、サーモン大量死 恐怖に直面する命がけの生産現場14:00偽情報に対策強化、COP30で宣言 「正しい情報」以外のコツは15:00大谷翔平の二刀流はとまらない バリー・ボンズ超えを阻む唯一の敵16:30