松永佳伸2025年11月14日 17時00分米国留学生との交流会に参加した服部剛丈さんの母美恵子さん(中央)と父政一さん=2024年12月19日午後2時37分、名古屋市東区の旭丘高校、松永佳伸撮影 1992年10月に留学先の米国で射殺された愛知県立旭丘高校の服部剛丈(よしひろ)さん(当時16)の両親宅=名古屋市港区=に10月末、「足長爺」を名乗る人物から現金1千万円が届けられた。両親が、米国から留学生を招くために始めた「YOSHI基金」の継続に向けて寄付を募り始めた矢先だった。 事件は、仮装した服部さんがハロウィーンパーティーの訪問先を間違え、対応した男性の「フリーズ(動くな)」を「プリーズ(どうぞ)」と聞き間違えて銃で撃たれて死亡した。 基金は、93年6月に父政一さん、母美恵子さんが「事件のために留学制度が後退することはあってはならない。米国の若者に銃のない日本の社会を知ってもらいたい」との思いから、服部さんを派遣した国際教育交流団体「AFS日本協会」内に設立した。 剛丈さんの傷害保険を原資に、賛同者の寄付と同協会、AFS―USAなどの支援を受け、これまでに米国の高校生34人を受け入れてきた。 経済的に苦しい高校生を対象としているため、10カ月の留学期間に必要な費用(1人約280万円)を基金から負担している。両親は少なくともあと5年間の継続を望んでいて、資金不足を解消するため、今年10月から850万円を目標に寄付を募り始めた。 1千万円が寄せられたのは10月31日。美恵子さんが午前8時ごろ、自宅の庭にあるテーブルの上に、紙袋に入れて置いてあったのを見つけた。余白には「YOSHI基金に使って下さい。足長爺」と記されていたという。 両親は、地元の港署に相談した。署が拾得物として保管し、持ち主が現れなければ、3カ月後に両親が受け取ることになる。 同協会によると、参加した留学生にとっては、家庭や学校での異文化体験のほか、銃が生活の中にない日本で、米国の銃のあり方や平和を考える機会となっているという。両親は、留学生を自宅へ招き対話を重ね、帰国後も連絡を取り合うなど、絆を深めているという。 政一さんは「心ある善意に感謝したい。今後も米国からの留学生を受け入れるために支援と協力をお願いしたい」と話す。 基金への寄付の詳細は同協会(https://www.afs.or.jp/news20251003/)へ。【11月25日まで】全記事が読み放題のコースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちらこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月14日 (金)総合経済対策案を与党に提示山上被告の母、遺族らに謝罪警察官がクマ駆除可能に11月13日 (木)捜査情報漏らしたか 警官逮捕斎藤元彦・兵庫知事を不起訴知床の遊覧船沈没、無罪主張11月12日 (水)殺傷力ある武器、輸出拡大へ俳優の仲代達矢さん死去 92歳Suicaのペンギンが「卒業」へ11月11日 (火)議員定数削減、自維で温度差米政府機関の閉鎖、解除へ減る東京の農地 都が支援に力トップニューストップページへ立花孝志容疑者、罪認めて謝罪し示談進める方針 弁護人が動画で公表16:40ニデック、800億円超の損失や債務を計上 相次ぐ不適切会計問題で16:20高市首相「15年前の服も出して…」 閣僚給与削減で脱線気味の論戦16:00ナシを食らうクマ、サーモン大量死 恐怖に直面する命がけの生産現場14:00大谷翔平の二刀流はとまらない バリー・ボンズ超えを阻む唯一の敵16:30ハマれば10キロ減量、バズれば大統領 ショート動画は救いか災いか11:00