2025.08.01武若雅哉(軍事フォトライター)tags: 73式装甲車, ミサイル・砲, ミリタリー, ミリタリーイベント, 埼玉県, 東京都, 歴史, 観閲式, 陸上自衛隊国民の理解と信頼を深めるために定期的に実施されている自衛隊の中央観閲式ですが、いまから半世紀ほど前の姿を振り返ります。懐かしの退役装備に混ざって、今も現役の装備も確認できました。海上自衛隊と航空自衛隊の女性自衛官が初めて参加した中央観閲式 コロナ禍以降、規模を縮小して行われている自衛隊の「中央観閲式」。その前までは多くの来場者で賑わう3年に1回のイベントとして大きな注目を集めていました。 そもそも、中央観閲式とは、自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣の観閲を受けることで、隊員の使命の自覚と士気の高揚、そして自衛隊に対する国民の理解と信頼を深めることを目的としています。 そのため、自衛隊の前身である保安隊時代から観閲式は実施されており、最初に行われたのは1952(昭和27)年10月15日の保安隊発足記念観閲式です。その後保安隊は改編され、1954(昭和29)年7月1日に自衛隊として新たに歩み始めますが、その翌年の1955(昭和30)年には、自衛隊中央観閲式が初めて開催されています。なお、このときの会場はなんと神宮外苑でした。 そこで、いまから50年ほど前の1977(昭和52)年に行われた中央観閲式の様子を紹介します。実は1973(昭和48)年以降、実施会場を神宮外苑から朝霞駐屯地に隣接する朝霞訓練場へ移しています。 1977年の中央観閲式は、福田赳夫内閣総理大臣を観閲官に迎え実施されており、初参加の海上自衛隊および航空自衛隊の婦人自衛官(現・女性自衛官)約150人を含め、人員5200人が車両250両とともに参加して執り行われています。拡大画像観閲式開始前に会場に並べられた装備品。左に見える翼を4つ付けたものは航空自衛隊が装備する地対空ミサイル「ナイキJ」。右奥に見える弾体の白いミサイルは陸上自衛隊の地対空ミサイル「ホーク」(Hideki Miyashita撮影)。残り77文字この続きは有料会員登録をすると読むことができます。会員の方はこちらからログイン2週間無料で登録する2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。