「首都圏から一番近い離島」に “異色の新船”が就航! 船内には豪華な特別室も 「所要30分」の短い航路が大変貌

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2025.07.27乗りものニュース編集部tags: 富士急行, 船, 静岡県「首都圏から一番近い離島」とも言われる静岡県の初島に、既存船を大幅改装した異色の高速船が新規就航しました。 静岡県の熱海~初島航路に、2025年7月12日から富士急マリンリゾートの新高速船「金波銀波(きんぱぎんぱ)」が就航しました。この「金波銀波」は新高速船と言っても新造船ではなく、既存船を大幅に改装して生まれ変わった船で、建築家の川西康之さんがデザインを担当。短距離航路の船ですが、船内には多様な居場所が用意され、思わず散策したくなるような空間となっています。拡大画像今月から静岡県の熱海~初島航路に就航した新高速船「金波銀波(きんぱぎんぱ)」(乗りものニュース編集部撮影) 初島は、熱海市の沖合約10kmに浮かぶ島。「首都圏から一番近い離島」とも言われ、東京から日帰りで訪れることも可能です。富士急グループは、1964年7月にリゾート施設「初島バケーションランド」(現在のPICA初島)を開業し、これを契機に島内の開発が進みました。 島への交通手段となる熱海~初島航路の所要時間は約30分ほど。2025年7月時点で10往復が運行されており、往復乗船料は大人2900円・小学生1450円です。「金波銀波」の就航に合わせて、同航路は「初島リゾートライン」に名称が刷新されました。「金波銀波」は、1993年就航の既存船「イルドバカンス三世号」を大幅に改装した船となります。改装では主に塗装や内装、座席などが刷新されました。 デザインを担当した川西康之さんはこれまで、JR西日本グループの高速船「SEA SPICA」や273系電車の特急「やくも」、2024年2月に箱根・芦ノ湖で就航した富士急グループの「箱根遊船 SORAKAZE」などを手がけてきました。30年以上も活躍してきたベテラン船が「川西デザイン」で生まれ変わったのです。 船の全長は44m、全幅8.2m、総トン数292トン、定員約630人と比較的小型ですが、多客期には座席に座れない乗客も出るほど混雑するといいます。 なお、船内は船底の地階から3階までの4層構造となっています。外装は「初島の岩石」にちなんだ黒色を基調としつつ、熱海が発祥地と言われている国産レモンの黄色がアクセントとして入り、目を引きます。 富士急行は「金波銀波」就航日の前日となる、2025年7月11日(金)に報道公開を実施。報道公開にはデザインを手がけた川西さんも参加し、改装のポイントを船内で説明しました。【次ページ】「不人気座席」も“川西デザイン”で生まれ変わる【画像】船内スゴッ!これが新高速船「金波銀波」の特別室です(既存船を大改装)