毎日新聞 2025/7/31 06:30(最終更新 7/31 06:30) 1266文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷意見陳述の練習をするミャンマー人技能実習生の女性。読みにくい漢字のある場所にはマーカーが引いてある=北九州市小倉北区で2025年7月26日、山下智恵撮影 福岡県の最低賃金(時給992円)の上げ幅を決める福岡地方最低賃金審議会で、介護現場で働くミャンマー人の技能実習生の女性(24)が31日、意見陳述をする。厚生労働省によると、技能実習生が直接意見陳述するのは全国初とみられ、最低賃金で働く技能実習生の現状を訴える。 審議会は労使双方が最低賃金に関する意見を述べる機会を設けている。今回は女性を支援する労働組合から「日本を支える労働者である外国人技能実習生の意見も聞くべきだ」との申し出を受け、実施を決めた。Advertisement 意見陳述する女性は、北九州市内の高齢者介護施設で働く。日本のアニメが好きで高校時代から日本語を学び、大学卒業後は語学留学をして日本でミャンマー語を教えるのが夢だった。 だが、2021年に起きた軍事クーデターの影響でエンジニアだった父親が失職した。家族の生活や弟の学費を支えるため、通っていた大学をやめ、技能実習生として23年4月に来日し、6月から働き始めた。 当初は日本人の指導役がついた。1年たつと、利用者20人が過ごす施設の夜勤に1人で対応するようになった。「朝、20人を1人で起こすのはつらいけど、おばあちゃんが好きなものを何度も話してくれて、何回も一緒に笑ってしまう。そんな時間が楽しい」 3年目に入った今、介護技術も身につき、日本語も日常会話や仕事で問題はない。だが、時給は最低賃金のまま上がることはない。 月の給料は手取り15万~21万円。毎月10万~15万円を本国の家族に仕送りする。来日時にかかった借金約100万円の返済もした。残る3万~5万円で生活をやりくりするが、昨今の物価高が追い打ちをかける。 施設には日本人5人とミャンマー人9人(うち技能実習生7人)が働く。人手不足が深刻で、今は新人でも1カ月もたたないうちに1人態勢の夜勤を任される状態という。 厚労省によると、技能実習制度で働く外国人は、24年10月末時点で約47万人。発展途上国への技術移転や人材育成を制度の理念としているが、実態は建設や農業など人手不足の現場を担う貴重な労働力として日本社会を支えている。 職場を変わる「転籍」が制限されるため、雇用側は人材確保のために賃金や待遇を良くして他社などと競争をする必要がなく、最低賃金で働いたり、不利な待遇を受けたりするケースが多い。内閣府の試算では、同じ労働条件の日本人より2割ほど賃金が低いという。 女性は「共に働く実習生はみんな、母国に送金をして家族を支えている。最低賃金が上がれば将来のために貯金もできる。また大学に行きたい。勉強がしたい」と切実な思いを語る。 外国人労働者に詳しい国士舘大学の鈴木江理子教授は「技能移転の名目で日本の労働力不足を支えている技能実習生を、意見を聞くべき労働者と位置づけたのは画期的で全国に広まってほしい。27年以降、技能実習制度は自己都合の転籍が可能な育成就労制度に変わる。選ばれる事業所・地域になるためにも最低賃金は重要な課題で、実習生の切実な声を聞くことは地域にとっても意義がある」と述べた。【山下智恵】あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>