毎日新聞 2025/7/31 07:30(最終更新 7/31 07:30) 1624文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷大屋根「リング」で囲まれた大阪・関西万博の会場=大阪市此花区の夢洲で2025年4月13日午前11時58分、本社ヘリから北村隆夫撮影 大阪・関西万博の大屋根「リング」を丸ごと残してほしいと、市民グループが電子署名を集めている。リングは1周約2キロ、高さ最大約20メートルで、世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定された。日本国際博覧会協会(万博協会)や国などは万博閉幕後に一部を保存し、残りは解体する方向で議論している。これに対して市民グループは「リングを公共の遺産として残したい」と訴えている。8月下旬ごろ、署名を万博協会に提出する予定だ。 「全てを残してこそのリング。見たことのなかった景色に出会わせてくれた。この感動を未来の誰かにも届けたい」。署名運動の発起人となった大阪府立高校3年、朱詠瞳(えみ)さん(18)は、こう訴える。Advertisement 朱さんが通う高校は万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)に近く、リングが形になっていく過程を見守った。開幕前のテストラン(リハーサル)の募集で当選し、4月上旬に家族と訪問した。 京セラドーム大阪(大阪市西区)くらいの大きさだと思っていたが、間近で見ると想像を超えていた。リングは外径が675メートルあり「あまりにも大きくて驚いた。600メートル先に立っている小さな人を見たのは初めてだった」と振り返る。高校では写真部に所属しており、リングの写真を夢中で撮った。 リングは当初、閉幕後に全てが解体される計画だった。国産のスギやヒノキ、外国産のオウシュウアカマツなどの木材の一部は再利用し、残りは砕いて木材チップにし、バイオマス発電などの燃料になる見通しだ。 しかし「レガシー(遺産)」として位置づけるべきだという声が徐々に高まり、万博協会や国などは6月、一部を保存する方向性を確認した。北東側の約200メートルまたは南側の約350メートルを現状に近い形で残す案が出ている。 この動きをニュースで見た大阪府泉南市のグラフィックデザイナー、比良間慎二さん(62)は6月下旬、自身のX(ツイッター)に「大屋根リングを解体してチップとして燃やす案が進んでいますが、なんとか阻止出来ないのでしょうか」とつぶやいた。 1970年の大阪万博の時、比良間さんの一家が住んでいた大阪府吹田市の区域が会場の一部になり、立ち退きに応じ、市内の別の場所に引っ越した。元の家の敷地付近にはブラジル館が建ったという。閉幕後はパビリオンなどが壊されていくのを目の当たりにした。半世紀前の経験もあり、今回の万博のシンボルのリングは全てを残すべきだという思いを抱えていた。 比良間さんの投稿を朱さんが見つけ、交流サイト(SNS)で声を上げることに決めた。素早く集められるように電子署名を選んだ。 6月29日夜に運動を開始し、7月30日時点で1800人分を超える署名が集まった。運動を応援する声が届く一方で「修繕費と保存費は誰が払うんだ」「行動するのが半年遅いわ」などと批判も受けている。 リングの建設費は約350億円で、パビリオンなどを含めた会場建設費は当初の1250億円から2回の増額を経て最大2350億円になった経緯がある。巨額の費用を投じることへの批判があるのに加え、リングに上がれる形で保存するためには改修が必要となる。万博協会は100億円を超える規模になるとの見方を示している。 この費用について、比良間さんは「クラウドファンディングやネーミングライツ(命名権)など、みんなで知恵を絞って、税金を使わない方法を考えればいい。残したいけど、無理だと思っている人たちの声を拾いたい」と話す。 大阪万博のシンボル「太陽の塔」は閉幕後に撤去される予定だったが、存続を求める署名活動などが起こり、75年に保存が決まった経緯がある。比良間さんは「太陽の塔に続いて、みんなの声でリングを本当のシンボルにしたい」と訴える。 市民グループ「大屋根リング全残しプロジェクト」の署名サイトはhttps://www.change.org/SAVE_THE_RING【新宮達】【時系列で見る】関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>