「まるで生き物のよう」「思考の発酵促す」 茨城県産石材の魅力とは

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毎日新聞 2026/1/4 09:31(最終更新 1/4 09:31) 1737文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷加波山中腹にある「やさとみかげ」の採掘場に立つ石原且久さん(右から2人目)ら=石岡市大塚で2025年11月22日午前11時56分、鈴木美穂撮影 民間シンクタンクが2025年に発表した都道府県の魅力度ランキングで茨城は46位。最下位こそ免れたものの、調査が始まった2009年以来、下位から抜け出せない。果たして本当に魅力がないのだろうか――。取材してみると、知られざる魅力を支える人たちがたくさんいることが分かった。茨城の「いいとこ」を探してみよう。 大阪・関西万博に出展した「平和のモニュメント」のふるさとは、石岡市の加波山(かばさん)(標高709メートル)中腹にある採掘場だ。筑波山地の山々に連なる場所からは、田園風景や水戸、笠間の街並みが見渡せる。Advertisement 「加波山にはね、700を超える礼拝地があるんです。その一角で採れる『やさとみかげ』は自然の恵み。私にとっては生き物のように感じます」 長さ87メートル、高さ40メートルの巨大岩盤の前で、この採掘場を営む「石原石材」の石原且久社長(75)がほほ笑んだ。国内屈指の埋蔵量を誇るといい、岩盤の底1・5キロ下まで石材が続くという。 香川・小豆島で幼少期を過ごしたが1960年代、加波山で父が石材業を始めたのを機に移り住んだ。跡を継いだのは42歳の頃。業界を取り巻く状況は一変した。 「羽振りの良い時代もあったが、今は『墓じまい』ブームもあり、墓石に関われば安泰の時代ではない。石の魅力を身近に感じてもらえる数珠やブレスレットも作り、地元自治体(石岡市)のふるさと納税返礼品にもなっているが、知名度アップが課題ですね」と石原さんは捉える。加波山中腹で「やさとみかげ」の採掘場を営む石原且久さん=石岡市大塚で2025年11月22日午前11時57分、鈴木美穂撮影 採掘技法も劇的に変化した。大正から昭和にかけては火薬を用いた「発破」が主流だったが、現在はダイヤモンドチップを埋め込んだワイヤを用いる「ワイヤーソー」で切り出す。石原さんは「(加波山という)神様の体を削っている。だからこそ環境に優しい技法で、恵みを無駄なく頂戴することが大切だ」と語る。 「御影(みかげ)石」の名前の由来は、神戸市御影地区で採れた良質な花こう岩を産地にちなんで称したのが始まり。今では全国で採掘されるが、茨城は国内屈指の産地で知られる。 「銘石」の呼び声高い県産石の特徴を、業界紙・日本石材工業新聞の編集長、山口康二さん(52)は「石の質が高く、色や柄が美しいこと」と解説する。さらに、首都圏に近く地の利がある運搬上の優位性、やさとみかげや真壁石、稲田石など複数の人気石材が豊富に採れることも「強み」にあげる。     ◇ 2024年に県の5種が「ヘリテージストーン」に認定されたことを「ブランド化につなげたい」と意気込むのは、桜川市で「坂口石材工芸」を経営する坂口登さん(57)。石の町・桜川市真壁地区に生まれ、憧れから18歳でこの世界に飛び込み、23歳で起業。「いい車に乗ってやる」との若い野心が原動力だったが、40年を経た今は「何百年先まで残るものを自らの手で生み出せることに、やりがい、喜びを感じる」と語る。 中世の石塔を再現した手仕事の墓石が坂口さんの代表作。「ノミなどを使い手仕事にこだわっている。お墓に個性を求める人も増え、従来とは異なる仕事の仕方がますます求められる」と予測する。 筋肉隆々の男たちの仕事場――。石の世界には従来、こうしたイメージが強くあった。だが「最近変わってきた」と話すのは、桜川市の「北島字彫工業」社長の北島敏行さん(46)。パソコンを用いたデザインが主流となり、職場には女性の姿も。近年は墓石に限らず、記念碑などの字彫も需要があり、販路は広がっている。ブルガリアの芸術家との交流や、石材を使った教育活動を続ける彫刻家の浅賀正治さん=桜川市亀岡で2025年11月22日午後3時58分、鈴木美穂撮影 桜川市の彫刻家・浅賀正治さん(72)は石に関わる人の裾野を広げようと、小中高生らと石製のベンチやモニュメントを作る活動を続ける。「石の芸術作品というと、敷居が高いと感じる人もいる。石を身近に感じ、親しんでもらうために石材を用いた『教育』を広げたい」と奔走する。 浅賀さんいわく「石彫はアタマを良くする」。石工の家に生まれたとされ、「無知の知」の名言で知られる古代ギリシャの哲学者ソクラテスの名を挙げ、「石をたたく作業は単純なようで奥深い。この時間が『思考の発酵』を促すから」と持論を語る。県内で採れるさまざまな御影石に、浅賀正治さんが彫刻を施した見本=桜川市亀岡で2025年11月22日午後2時16分、鈴木美穂撮影 浅賀さんはあらゆる町並みに石づくりの彫刻があふれる未来を夢想する。「その頃世界はもう少し、思慮深くなっているのでは」と。【鈴木美穂】あわせて読みたいAdvertisementこの記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>