水中写真連載 So Blue毎日新聞 2025/7/23 06:00(最終更新 7/23 06:00) 1162文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷産卵中のガラスハゼのペア。オス(下)は、ムチカラマツの肉質部を削るためアゴが発達して口が長く、歯も鋭い。メスは短く丸まっている=高知県大月町で、三村政司撮影 ガラスハゼはいつも、少しぽかんと口を開けている気がします。でもこの時ばかりは「産みの苦しみ」で口が開いていたのかもしれません。 まさに産卵している場面です。上側のメスが黒い部分に珠玉のような卵を産みつけ、下側のオスが卵に精子をこすりつけています。オスもメスも、素早く位置を変えながら行ったり来たりしていました。初夏から盛夏にかけ、狙いを定め腰を据えて観察すれば、産卵場面に立ち会える幸運に恵まれることがあります。Advertisement ◇ 卵は1週間程度でふ化し、ペアは何度も産卵を繰り返します。水温が高い沖縄などでは冬でも産卵することから、繁殖には水温が影響していると考えられます。 相模湾以南の太平洋側のほか、インド洋や紅海で暮らしています。全長は2~3センチ。名前のとおり、繊細なガラス細工のように体が透けていて、褐色の模様があります。大きな目の周りは鮮やかなオレンジ色できらきらとしたラメ感があり、黒目もくっきり。 ◇ ムチカラマツというサンゴの仲間に卵を産みます。ムチカラマツの直径は1センチほどで、長さは1~3メートル。海底に細長い枝が突き刺さっているように見えるものの、植物ではなく動物です。温暖な海のゆるい斜面で、プランクトンをポリプ(個虫)が捕食します。写真にも、イソギンチャクのような6本の触手を持つ小さなポリプが写っています。 芯がむき出しになっているような黒い部分は、ムチカラマツの角質状の軸部分。ガラスハゼのオスがムチカラマツの肉質をはぎ取って作った「産卵床」なのです。 ◇ ムチカラマツを目安にすればガラスハゼを探すことは難しくないものの、小さいうえ、ぴょこぴょこと素早く動くので見逃してしまいがち。ムチカラマツに隠れるように生活していて、ヒトが近づいたりライトの光を当てたりすると裏へ裏へと回り込むからです。 そんなときは、親指と人さし指で輪を作り、ムチカラマツに沿って動かします。するとガラスハゼは跳ねながら移動するので、居場所が分かるわけ。 ◇ ところで、沖縄県に住むダイバーから「最近の夏は水温が高くなりすぎたせいか、ガラスハゼの産卵機会が減っている気がする」と聞きました。サカナも夏バテするのでしょうか、元気がなくなるらしい。 以前は、赤道直下でもごく浅い水深域を除いて海水温が28度を超えることはまれでした。でも近年は、日本近海でも30度に達することが増えています。 昨年、高海水温のせいで大規模なサンゴの白化現象があった沖縄では今年、白化の境界温度とされる28度を5月半ばに超えました。四国・高知県の柏島や本州の和歌山県串本町でも、7月半ば現在で27~28度。昨年同時期よりも高い。 今年も、サンゴの白化や水蒸気量の増大による陸上各地の豪雨が心配です。(高知県大月町で撮影)【三村政司】【前の記事】奄美大島の海底にこつ然と現れる 「ホシゾラのミステリー」関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>