毎日新聞 2025/7/23 05:30(最終更新 7/23 05:30) 972文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷リバイバル上映される「この世界の片隅に」=© 2019こうの史代・コアミックス/「この世界の片隅に」製作委員会写真一覧 記録的な大ヒットになった長編アニメーション映画「この世界の片隅に」(2016年)が終戦から80年の夏、全国でリバイバル上映される。こうの史代さんの同名漫画が原作で、戦時下の広島・呉を舞台に主人公の女性が日常を懸命に生きる姿を描いた作品は、社会現象を巻き起こした。「声高に『戦争反対』を言わなくても、浸透するのではないかという期待感がありました」と振り返る片渕須直監督(64)は、戦火のやまない世界に何を思うのか。この作品を再び世に届ける意味を聞いた。 主人公のすずは終戦時に20歳という設定だった。80年の節目を意識したとき、「戦争の時代を体験した人の話を聞く機会は減っていく。しかし、100歳になったすずさんは健在で、今もこの世界のどこかに暮らしているかもしれない」と考えたという。それは過去から現在が一続きのものと捉える見方だ。Advertisement 映画で描いたのは、一個人が見ていた戦時下の社会と、厳しさを増していく日々の営み。小さくてもかけがえのないものを戦争は奪っていった。共感の輪が広がって異例のロングラン上映となり、累計動員数は210万人を超えた。 「この作品を作っていた頃は、さすがに戦時中からは進歩し、安心して生きられる世界になっていると思っていた。それが崩れていく気がしている。核兵器を持っている国が戦争をする時代になるとは……。すずさんが生きた時代と似ていないか」リバイバル上映のポスターなどに使われる絵は描き下ろし=© 2019こうの史代・コアミックス/「この世界の片隅に」製作委員会写真一覧 9年前の上映時にポスターなどに描かれた主人公は、ほんわかとした雰囲気を漂わせていた。今回、新たに描き下ろしたのは、1945年8月、放心しながらも次の時代を生きていこうとする曲がり角の表情。「私たちも今、変わっていく時代のさなかにいる。大きな声で『戦争反対』を言わなければならないとは、不幸な世の中。それでも明るい未来を描きたい」 製作時、往時の街並みを教えてくれた人たちの幾人もが世を去った。原爆で焼き払われた広島の中心街や、海軍のお膝元で盛況を見せていた呉の繁華街。商店や路地の細部を資料などで調べ上げてから証言者を訪ね、肉付けしていく作業を繰り返した。 「そうした細部の集まりが世界をつくる。同じ作業はもうできないが、この映画がどうやってできたのか改めて興味を持ってもらい、姿をなくした街並みや建物に宿る記憶を忘れないでほしい」 上映は期間限定で8月1日から。【宇城昇】【時系列で見る】関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>