戦没者を悼む旅の始まり 打ち明けた思いは「謙虚に過去を振り返る」

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有料記事編集委員・島康彦2025年7月24日 13時00分「慰霊の旅」で長崎を訪れ、恵の丘長崎原爆ホームで入寮者の老人に声をかける皇后さま(当時)=1995年7月、長崎市 天皇陛下をはじめ、皇族方の活動や皇室に関連する出来事を過去にさかのぼって紹介する「皇室365」を始めました。皇室のあり方が問われる中、公務や宮中行事などのトピックを毎週、担当記者が詳しく読み解きます。7月26日(1995年) 戦後50年「慰霊の旅」スタート 1995年のこの日、天皇、皇后両陛下(当時)は戦後50年にあたり、長崎県を訪れた。広島、沖縄、そして東京大空襲の戦没者を悼む「慰霊の旅」の始まりだった。 天皇陛下は皇太子時代の会見で「どうしても記憶しなければならない四つの日」として沖縄戦終結の日、広島と長崎の原爆の日、終戦記念日を挙げ、毎年、皇后さまとともに黙禱(もくとう)を欠かさなかった。各地の戦災地にも昭和の時代から足を運び、戦没者を思い続けていた。 それらの訪問は、全国植樹祭や国民体育大会など、主催者側から行事出席への願い出を受け、その日程の前後に組み込まれる形をとっていた。 ところが、戦後50年に際してはそうした名目がなく、政府の了承のもと、慰霊に絞った訪問を宮内庁側が自治体に要請するという、前例のないケースとなった。憲法上の制約のもとで、皇室をあげて戦没者に向き合うという強い姿勢が垣間見えた。 天皇陛下の言動にも慰霊にかける思いがあらわれていた。 戦後50年を翌年に控えた94年9月の会見。天皇陛下は戦後処理や歴史認識が世界的に問い直されていることを受け、「この戦争による犠牲者のことは決して心から離れるものではありません」と明かし、「常に謙虚に過去を振り返るとともに、世界の平和を目指して進んでいくことが大切と思います」と語った。 同年12月の会見では「戦争…【はじめるなら今】記事読み放題のスタンダードコース1カ月間無料+さらに5カ月間月額200円!詳しくはこちらこの記事を書いた人島康彦社会部|編集委員専門・関心分野皇室、こどもの問題、格闘技(プロレス)、演芸(落語、浪曲)こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ7月24日 (木)日米、相互関税15%で合意に首相続投、元首相ら認めずオジー・オズボーンさん死去7月23日 (水)関電、原発新設に着手表明石破首相に強まる退陣圧力松本元死刑囚次男が「グル」7月22日 (火)首相、参院選大敗でも続投表明石破政権への協力、慎重な野党サイバー攻撃対策に新ツール7月21日 (月)自公、参院も過半数割れ確実トランプ氏復権半年 世界翻弄夏場の「バッテリー」に注意トップニューストップページへ「石破首相では勝てないという民意」 4者会談、口火を切った麻生氏5:00日経平均が続伸、一時4万2千円台 関税交渉の進展と米国株高を好感9:47安野貴博氏のチームみらい、都内無党派層の比例投票先2位 出口調査12:41エプスタイン文書から話題そらし? オバマ氏批判強めるトランプ政権11:30突然のサイバー攻撃、完全停止したシステム 1千人の社員が動いた7:00「神の子」ゆえ受けた「虐待」 このまま終われない…2世の決断9:00