毎日新聞 2025/7/20 13:00(最終更新 7/20 13:00) 1204文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷「世界絶対平和万歳」と刻まれた平和の鐘について発表する愛媛県立宇和島東高の生徒(奥)=大阪市此花区の大阪・関西万博会場で2025年7月19日(同校提供) この鐘は世界中に響き続けます――。「世界絶対平和万歳」と刻まれた釣り鐘。世界各国のコインを溶かして造り、9月21日の国際平和デーでは毎年、国連事務総長がこの鐘を鳴らす。鐘の寄贈者ゆかりの愛媛県宇和島市にある県立宇和島東高校の生徒らは19、20両日、大阪・関西万博の国連パビリオンで、この鐘に込められた日本人の思いを発表し、新たに鋳造した「姉妹鐘」を打ち鳴らした。鐘への思いとは。 鐘を製作し、国連に寄贈したのは元宇和島市長の中川千代治(ちよじ)さん(1905~72年)。太平洋戦争中の42年、ビルマ(現ミャンマー)戦線で所属部隊がほぼ全滅した経験と「自分だけ生き残った申し訳なさ」から、終生不戦を訴えた。Advertisement元愛媛県宇和島市長の中川千代治さん=国連平和の鐘を守る会提供 中川さんは日本の国連加盟の機運を高めるための財団法人「日本国連協会」代表として、51年の国連総会に自費でオブザーバー参加。さらに平和の鐘を造るため、冷戦下の欧州各国を回ってコインを集めた。鐘は高松市で、鐘楼は宇和島市で造り、日本が国連に加盟する2年前の54年に国連本部へ贈った。鐘楼の礎石の下には被爆地・広島と長崎の土が収められている。 今回の大阪・関西万博の会場で中川さんの思いを発信したのは、宇和島東高国際協力部の生徒ら。2023年末、愛媛県内であった高校生の国際協力研究発表会で平和の鐘について報告。鐘は1970年の大阪万博で展示され、その姉妹鐘が大阪府吹田市の万博記念公園にあることに触れ、生徒らは「25年の大阪・関西万博でも姉妹鐘を展示できるよう、私たちの思いを伝えよう」と結んだ。「平和の鐘」の姉妹鐘を打ち鳴らす二宮啓太さん(中央)ら愛媛県立宇和島東高の生徒ら=大阪市此花区の大阪・関西万博会場で2025年7月19日(同校提供) 24年1月には中川さんの六女で一般社団法人「国連平和の鐘を守る会」代表の高瀬聖子さん(77)=東京都=が同校を訪れて生徒らのプレゼンテーションに聴き入り、会として姉妹鐘を造って大阪・関西万博に展示することを快諾した。世界各国のコインを溶かした重さ約4キロの鐘は今回の万博開幕直前の25年3月、宇和島市内のイベントで展示され、生徒らは鐘に込められた思いを市民に伝えた。 大阪・関西万博で19、20両日にあった「高校生が語る平和への想(おも)い」(国連パビリオン、国連平和の鐘を守る会主催)では、生徒らが計10回プレゼンテーションを行い、今も色あせない中川さんの不戦への願いを伝えた。3年の保岡優奈(やすおかゆな)さん(18)は「今は宇和島でも中川さんを知らない人が多くなりましたが、しっかりと学んで世界平和を訴えたい」、2年の木下登桃子(ともこ)さん(17)は「冷戦下でも危険を顧みずに平和の鐘のために行動した中川さんの熱意は心に来ます」、2年で国際協力部長の二宮啓太さん(17)は「世界の平和を実現するために、自分もそのピースの一つになれたのかと思うことができました。これからも全ての人にとって大切な『平和』というテーマを心に抱き、自分たちにできることを続けたい」と、それぞれ誓いを新たにした。【松倉展人】【時系列で見る】関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>