毎日新聞 2025/9/14 07:00(最終更新 9/14 07:00) 1264文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷松くい虫の被害で木全体が赤く変色した国指定天然記念物の「久米の五枝のマツ」=久米島町観光協会提供写真一覧 島のシンボルだった名松の葉が赤く変色してしまった。 沖縄県・久米島(久米島町)にあるリュウキュウマツの巨樹で、国指定天然記念物の「久米の五枝(ごえ)のマツ」が枯れる寸前の状態にある。 推定樹齢200年近くで、地をはうように枝が広がる名木だったが、島に上陸した松くい虫に襲われた。今後、樹木の専門家が「枯死」と判定した場合、町は天然記念物の指定解除の手続きを進め、木を伐倒することになる。Advertisement 五枝のマツは島の西部の丘陵地に生えている。高さ約6メートルで、五つの枝が広がり、枝面積は約250平方メートルに及ぶ。 1997年に国の天然記念物に指定された。久米島だけに分布するクメジマボタルの生息地でもあり、島の観光名所になっている。五枝のマツ写真一覧海を越えてきた線虫 松くい虫は体長1ミリ未満の線虫。マツノマダラカミキリを介して松から松へと運ばれ、松の木に侵入して衰弱させる。 沖縄県では73年に初めて被害が確認され、沖縄本島を中心に被害の増減を繰り返してきた。 県は防除対策に取り組むとともに、2002年制定の条例に基づき、これまでに被害が確認された地域から松を持ち出す場合は、県に届け出るよう義務付けるなどして被害の拡大防止に努めてきた。 しかし、沖縄本島から西に約100キロ離れた久米島でも21年度に被害が初めて確認された。 松くい虫が侵入した松が持ち込まれたとみられ、被害は島内で一気に拡大。24年度の被害量は9861立方メートルで、県全体(1万4538立方メートル)の7割を占めた。後手に回った初期対応 島内での被害確認後、久米島町では五枝のマツを守るため、半径2キロ以内の松に松くい虫の侵入を防ぐ薬剤を注入するなどの対策を講じてきた。 しかし、五枝のマツでも今年6月に被害を確認。枯れた枝の切除や薬剤の注入などで被害拡大を食い止めようとしたが、老木で樹形も複雑なため、薬剤がうまく吸収されず、「枯れ」の範囲が広がった。 7月下旬ごろからは大部分の葉が変色し、町の対策会議で樹木の専門家が「枯死に至る症状」との見解を示した。 町の担当者は「初期の対応が後手に回り、勢いに追いつけなかった」と悔やむ。 一度枯れた枝から新たな芽が出ることはなく、このまま枯死する可能性が高い。町は、株分けしたクローン松を接ぎ木などで育成して、五枝のマツの再生を目指す。 沖縄県内では、伊平屋島(伊平屋村)にも16年に国の天然記念物に指定されたリュウキュウマツの名木「念頭平松」がある。 村は指定を機に、島への松の苗木や材の持ち込みを禁止する規定を設け、松くい虫の上陸を防いできた。 一方、久米島では上陸を防ぐ規定はなかった。久米島町観光協会職員の新長(しんちょう)民江さん(54)は「大きな盆栽のように整った姿は美しく、町民にも観光客にも親しまれた。島の名所が一つなくなってしまうのは寂しい」と肩を落とす。 文化庁によると、国の天然記念物の指定が解除されれば、兵庫県南あわじ市の「淡路国道マツ並木」が消失によって10年に解除されて以来となる。【比嘉洋】あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>