パレスチナ占領地の理不尽な日常を暴く 映画「壁の外側と内側」

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毎日新聞 2025/9/10 10:45(最終更新 9/10 10:45) 1060文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷映画「壁の外側と内側」の川上憲徳監督=大阪市内で2025年9月5日午後4時42分、矢追健介撮影 イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区への大規模侵攻を始めた2023年10月から約10カ月――。長年中東を取材してきたジャーナリストの川上憲徳さんが同自治区ヨルダン川西岸地区を訪れた。ガザだけではない、イスラエルがパレスチナ自治区に強いている非人道的な日常……。その取材をまとめた映画「壁の外側と内側」が完成し、関西でも上映が始まった。 2024年7月に川上さんが訪ねた西岸地区南のマサーフェル・ヤッタ地域。1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領。軍の演習地があるが、パレスチナ人は羊を飼うなどして今も暮らす。Advertisement しかし、閣僚が西岸地区の併合を唱えるイスラエルの当局は住民の財産を没収し、違法建築として家屋を破壊し、道路を寸断する。占領地での入植は国際法違反だが、入植者は家屋を作って土地を奪い、パレスチナ住民を襲撃し、羊などを盗んでいく。警察や軍は入植者を守る。 川上さんが訪れた村は直前に家々が壊され、住民はテント生活を余儀なくされていた。別の複数の村では学校が壊されてがれきと化し、未来が奪われていた。夜中に「兵士が来る」と叫ぶ子どももいるといい、心的なダメージは計り知れない。現地の住民は語る。「イスラエルは人間性が欠如している」。暮らしを続けることでイスラエルの占領に抵抗し続けるパレスチナ人。あまりにも理不尽だが、占領地の日常だ。 川上さんは、イスラエルが実行支配するエルサレムへ。「イスラエル人ジャーナリストが愛国者となり、戦争の真実を報じないことを選んでいる」と聞かされる。現地大手メディアはパレスチナ人関連の悲劇や抵抗の理由は報じず、ただ暴力的な人々と描くという。「だから多くの人は、パレスチナ人は我々を殺したいんだと理解し、自衛や防衛が必要と思うようになる」。イスラエルが築く“壁”の一端が見えてくる。世界中が知っているイスラエルの侵攻や占領の実態を国民は知ろうとしていない。一方、壁を乗り越えようとする少数派の姿も映画は捉えている。 川上さんは「イスラエルがガザのジャーナリストを次々殺害するのは、彼らが伝える事実を知り、市民が声を上げるのを恐れているからだ」と言う。情報は壁を越え、インターネットやSNSを通じて市民につながる。「ガザ戦争が続くにつれて関心が薄れ、別世界のことのようになってはいけないと思って取材に行った。自分とは違う世界だと思った瞬間に、パレスチナを壁の向こうに追いやることになる」 映画は大阪市の第七藝術劇場と、京都市の京都シネマ(18日まで)で上映している。【矢追健介】【時系列で見る】関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>