2025.09.10竹内 修(軍事ジャーナリスト)tags: F-15, イギリス, ミリタリー, 戦闘機, 航空自衛隊航空自衛隊のF-15戦闘機が初めてヨーロッパに展開する見込みだと、イギリスの国防相が発言。日英は安全保障面での協力を強化しており、今回の派遣は両国関係の新たな段階を示すものとなるかもしれません。2025年8月28日、イギリスのジョン・ヒーリー国防大臣と中谷 元防衛大臣が防衛省で会談、共同記者会見でヒーリー国防大臣が、「近く、日本(航空自衛隊)のF-15戦闘機が、初めてヨーロッパに展開します」と述べました。航空自衛隊のF-15J戦闘機(画像:航空自衛隊)森田博安航空幕僚長は現時点で確定したものではないと述べていますが、中谷防衛相は29日に行われた記者会見で、将来的に航空自衛隊の戦闘機をイギリス含むヨーロッパへ派遣することを検討しているとヒーリー国防相に伝達し、同国防相は歓迎する意向を示したことを明らかにしています。派遣の詳細については検討中とのことで明らかにされていませんが、中谷防衛相は「これが整い次第公表させていただく」と説明しました。航空自衛隊はF-15J/DJ、F-2A/B、F-35A/Bを保有していますが、F-15の派遣が検討されている理由について中谷防衛相は、F-15J/DJが航空自衛隊保有の戦闘機で最も海外への展開経験が豊富であることを挙げています。ここで中谷防衛相から紹介はなかったものの、航空自衛隊でF-15J戦闘機を運用する第201飛行隊と、イギリス空軍でユーロファイター・タイフーン戦闘機を運用する第3飛行隊は、2015年に姉妹飛行隊(シスタースコードロン)提携を行っています。姉妹部隊とは言わば「姉妹都市」の軍事組織版で、姉妹部隊協定を締結した部隊は、情報や意見の交換、勉強会や交流会などを開催し、お互いの組織や国に対する理解を深めるものです。第201飛行隊と第3飛行隊は姉妹飛行隊提携を行って以来、数次に渡って隊員の相互訪問などを行っており、この縁もF-15に白羽の矢が立った理由なのかもしれません。【次ページ】念頭にあるのはもちろん…この記事の画像をもっと見る(3枚)