24色のペン毎日新聞 2025/9/16 06:00(最終更新 9/16 06:00) 有料記事 2576文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷自著で「会話の0.2秒の謎」に迫った人気ユーチューブチャンネル「ゆる言語学ラジオ」の話し手、水野太貴さん=東京都新宿区で2025年8月21日午後3時34分、清水有香撮影 人前ではできるだけ流ちょうにしゃべるべきだ。「えーと」「あのー」なんていうのはもっての外。自分の意見や思いはすらすら語れるほうがいいに決まってる。 世の中には、そんな「うまく話さなきゃいけない幻想」がある。幻想はうまく話せない人に対するいらだちを生み、そのいらだちがうまく話せない人、例えば吃音(きつおん)の人を生きづらくさせているのではないか。 そう問いかけるのは、登録者数38万人を超える人気ユーチューブチャンネル「ゆる言語学ラジオ」の話し手、水野太貴(だいき)さん(30)だ。 かくいう水野さんのおしゃべりは実にスムーズ。だから「うまく話さなきゃいけない幻想」やその暴力性に気づかなかったという。「会話の0.2秒の謎」を追うまでは。会話の0.2秒で何が起きている? 私たちが会話する際、相手に返事をするまでにかかる時間は平均0.2秒である。 水野さんの新刊「会話の0.2秒を言語学する」(新潮社)はこの事実を起点に、「0.2秒で何が行われているのか」を解き明かしていく。 出版社に勤務する編集者の顔を持ち、「筋金入りの言語学オタク」を自称する水野さん。「0.2秒の高速処理をしているってすごいよね、ということに焦点を当てた言語学の本が意外となくて、チャンス!と思いました」と笑う。 例えば「あのさ、昨日のあのテレビ、見た?」と話しかけられたとする。返事をするまでに頭の中で何が起きているのか。 聞き手はまず「昨日」「あの」「テレビ」のように単語の切れ目を解析し、文の構造を把握する。 その上で「相手が言っている『テレビ』は、放送された番組のこと」などと意味を理解し、質問がどんな文脈でなされたのかを考える。 さらに相手の言葉が終わるタイミングをうかがいながら、答える内容を整理し、相手に不快な思いをさせないような適切な形にまとめて口に出す。 0.2秒間の処理をざっと説明するとこんな感じになる。 本書は「語用論」や「生成文法」といった言語学の専門用語をできるだけかみ砕いて説明し、漫画から政治までさまざまな話題を盛り込みながら0.2秒間の手順を追っていく。「えーと」「あのー」の大事な役割 中でも、沈黙やジェスチャーなど「言語化の隠れた立役者たち」に光を当てた章が興味深い。 水野さんいわく、会話は…この記事は有料記事です。残り1623文字(全文2576文字)【前の記事】よみがえる「時代の魂」 台湾映画の修復にかける情熱=鈴木玲子関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>