「検事総長談話は名誉毀損」 再審無罪の袴田巌さん側が国を提訴

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滝沢貴大2025年9月11日 18時45分名誉毀損の訴状を提出するため静岡地裁に入る袴田巌さんの弁護団=2025年9月11日午後0時56分、静岡地裁、滝沢貴大撮影 1966年に起きた静岡県一家4人殺害事件の再審(やり直し裁判)で無罪となった袴田巌さん(89)側は11日、控訴断念時に畝本直美・検事総長が出した談話は名誉毀損(きそん)にあたるとして、国に550万円の損害賠償と謝罪広告を最高検のホームページに掲載するよう求める訴えを静岡地裁に起こした。 総長談話は、袴田さんの法的地位が長期間不安定な状況に置かれたことなどを謝罪。しかし、再審の無罪判決については「到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容」などと批判していた。 弁護団は訴状で、こうした批判について「4人を殺した犯人は袴田である」と述べていることを意味すると指摘。その上で談話の大部分を費やして同様の批判を繰り返したのは、袴田さんの名誉を毀損するもので、国家機関として確定した無罪判決を尊重する義務にも違反している、と批判した。 提訴後に記者会見をした弁護団の小川秀世弁護士は、談話について「袴田さんの名誉を毀損する許されないことだし、無罪判決を出した裁判所に対する冒瀆(ぼうとく)だ」と話した。 袴田さんの姉・秀子さん(92)の動画もこの日、報道陣に動画を公開された。「職業柄、ああ言わざるを得なかったのかなとは思っているが、これから後に続く人もいると思うので弁護団には頑張ってもらいたい」と述べた。 今回の提訴について、最高検は「訴状が届いておらず、コメントすることはありません」としている。 弁護団は、県警や検察(国)に冤罪(えんざい)の責任を問うため、国家賠償法に基づく別の損害賠償訴訟を10月9日に起こす方向で準備を進めている。【U30応援割】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら3カ月間月額99円!詳しくはこちらこの記事を書いた人滝沢貴大静岡総局|県警・司法キャップ専門・関心分野静岡のニュース、地域創生、サブカルチャー袴田巌さん、再審無罪2024年9月26日、強盗殺人などの罪で死刑が確定していた袴田巌さん(88)に、再審公判で「無罪」が言い渡されました。袴田巌さんに関するニュースをまとめています。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ9月11日 (木)イスラエルがカタールに空爆自民裏金事件 元議員の初公判静岡・伊東市長 市議会を解散9月10日 (水)日経平均 初の4万4000円台フランスのバイル内閣総辞職俳優の吉行和子さん死去9月9日 (火)自民総裁選 党員参加型にグーグル検索、AIが「答え」PM2.5で急性心筋梗塞リスク増9月8日 (月)石破首相が退陣表明小田凱人がゴールデンスラムふるさと納税、23区の苦境続くトップニューストップページへ首都圏に猛烈な雨、世田谷・品川で河川氾濫 羽田空港や新幹線は再開18:12米兵は執行猶予判決なら帰国、運用判明 「事実上の無罪放免」指摘も11:00化粧品会社でパワハラ、新入社員が死亡 社長辞任し1億円超支払いへ11:46ネパール暴動で立ち往生、旅行者が見た「別世界」 観光ツアー中止も14:10「甲子園よりも…」早大OB岡田彰布さん 熱気あふれる神宮への思い17:00「いかレスラー」の先へ 「バカ映画の巨匠」が追究する映画の本質16:00