2025.09.14乗りものニュース編集部tags: NEXCO中日本, NEXCO東日本, NEXCO西日本, トラブル, 安全, 災害, 自動車, 道路, 高速道路高速道路の路肩に設置されている「非常電話」が少しずつ姿を消しています。今や多くの人がスマホを使う時代ですが、使用実績や老朽化だけではない理由もありました。 高速道路の路肩に設置されている「非常電話」が少しずつ姿を消しています。NEXCO東日本北海道支社が2025年10月から、トンネル以外の一部区間で試行的に運用を停止します。拡大画像非常電話の運用停止イメージ(画像:NEXCO東日本北海道支社)。 すでに東北地方の一部路線では今年初めから、一部区間で運用が停止されており、このまま廃止になる可能性も考えられます。NEXCO東日本北海道支社で、幹部らにその事業を聞くと、意外な側面も明らかになりました。 非常電話は高速道路の路肩に約1kmおき、トンネル内では200mおきに設置している緊急通報用装置です。受話器を取るだけで道路管制センターにつながり、会話の不自由な人のために「故障」「事故」「救急」「火災」の状況を表示したボタンが設置されているものもあります。 この一部運用停止の理由は、「老朽化および利用実態が携帯電話に移行していること」とされますが、ネット上では「ケチっちゃいけない部分では?」「車両火災で慌てて非難する場面などでケータイ持ってなかったらどうするの?」などといった意見が見られました。 ただ実際には、北海道支社の交通管制センターの幹部に聞くと、「非常電話からの通報はほぼない」「あるとしたら、点検のときに使うか、工事業者が連絡のために使うくらい」とのこと。事故時も、ケータイによる道路緊急ダイヤル「#9910」(無料)もしくは110番通報がメインだそうです。「110番すれば警察から交通管制センターにも情報が入ります」とのことでした。 道路管理者の垣根を越えて、通報された場所から交通管制センターなどへ自動で連絡される「#9910」は、2005年に始まったサービスですが、この普及も非常電話の運用停止の背景にあるという意見も聞かれました。【次ページ】非常電話があることが「負担」に【え…】けっこう多い「非常電話」運用停止路線(地図)