2025.09.14加賀幸雄(旅行ライター)tags: スコーピオン, テキストロン, ミリタリー, 練習機, 航空軽攻撃機・練習機を目指したものの、一般的なそれらのジャンルの機体と比較すると少しユニークな形状を持つジェット機。製造機数はわずか数機にとどまり、どこかの国が採用した話を聞きません。どのような特徴があるのでしょうか。 テキストロン・エアランドでは、軽攻撃機・練習機を目指したものの、一般的なそれらのジャンルの機体と比較すると少しユニークな形状を持つジェット機「スコーピオン」(サソリ)を開発しました。しかし製造された機体数はわずか数機にとどまり、2025年現在もどこかの国が採用した話を聞きません。どのような特徴があるのでしょうか。「スコーピオン」(画像:テキストロン・アビエーション・ディフェンス)。「スコーピオン」の設計の特徴は、左右に離れたエンジンや、後退翼でなくピンと張った直線翼が目立つこと。鋭さと鈍重さが混じったどこかアンバランスな形をしています。さらにその機体名が示す通り、尖った機首と垂直尾翼という “尖った”外見をしています。平べったい胴体はサソリのそれに似ていなくもありません。 この機体は軽攻撃機や練習機としての使用を目的に、テキストロンとエアランド・エンタープライズの合弁会社であるテキストロン・エアランドにより開発されました。公式サイトでは主翼の計6か所に赤外線誘導ミサイルやレーザー誘導爆弾を装備可能であるほか、エンジン間の胴体幅が広いのも、戦術偵察機材や監視機器を搭載するためで、それらは目的によって交換・搭載が可能になっています。つまり、この機のセールスポイントは、高い柔軟性を備えているということでした。 とはいえ、筆者は実機を見る機会を得ましたが、高翼式の主翼の使い勝手はどうなのか、と考えざるを得ませんでした。【次ページ】なぜ「やけにピンとした翼」が搭載された?【写真】これが「ユニーク形状のレアジェット機」全貌です