毎日新聞 2025/9/14 09:15(最終更新 9/14 09:15) 1600文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷記者がまいた種から発芽し、朝日に輝くカブの芽=米原市世継のしんまい農園で2025年9月10日午前6時33分、長谷川隆広撮影 滋賀県米原市が新規就農を検討する人に開く「まいばら農業塾」に50代の毎日新聞記者が入塾した。塾での体験を伝える連載「おいちゃん記者、鍬(くわ)を持つ」の5回目。【長谷川隆広】 朝6時過ぎの農園で思わずガッツポーズ。小躍りしそうなぐらいうれしかった。種をまいたダイコン、カブが一斉に芽を出したのだ。その小さな小さな芽がいとおしくて、可愛くて。種をまけば芽を出す、当然のことでしょ。今までそう思っていた自分が恥ずかしい。やるべき作業をちゃんとやった、その結果が発芽なのだ。Advertisement 話を巻き戻そう。6日に開かれたまいばら農業塾の実習は、畑への苗の植え付けと種まきだった。塾が栽培を必須としている野菜は5種類。ブロッコリー(品種はハイツ)、キャベツ(初秋)、ハクサイ(きらぼし65)、ダイコン(三太郎、耐病総太り)、カブ(スワン)だ。前の3種類は苗で、後の2種類は種で作付けする。ほかに伝統野菜の種も。せっかくなら、と「日野菜かぶ」や「伊吹大根」、「近江かぶら」など6種類を追加で選んでみた。 例によって、栽培アドバイザーの常喜弘充さんが作業手順を実演してくれる。熟練の技、手際がいい農作業を見ていると、錯覚を起こす。ああ、簡単そうだな。いざ自分が畑に向かうと、ぼうぜん。どうするんだっけ。 作付けの前にまず元肥(植物を植え付ける前に土に混ぜる肥料)と農薬を手で散布する。我々3期生が割り当てられた畑は、7月まで2期生が使っていた。2期生がどんな栽培をしたかによって、それぞれの畑に残る窒素などの肥料分の量が異なるそうだ。スタッフがそれを調べた上で、畑ごとに必要な量の肥料を用意してくれた。畑に残る肥料分の量を調べる、考えたこともない作業があるのだな。また一つ勉強した。 続いて苗を植える。苗の根鉢(根と土の塊)を崩さず、掘った穴に入れ、土を寄せて軽く押さえる。水の吸収をよくするため、株元は強く押さえず、周囲をしっかり押さえてやるといいそうだ。全部で15株。半分を超えたぐらいで、コツをつかんだ。スタッフが「農業やったことあるでしょ」。分かっています。お世辞ですね。でも、お陰で気持ちよく作業ができた。 気付けば講習の終了時間を1時間ほど超過。9月に入ってもまだまだ暑い。一気に種まきまで済ませたかったけれど、熱中症が怖くて一区切り。翌朝7時ごろ、また助っ人の息子を伴って農園へ。 種をまく位置を決めるため、薄い板を使って畝に筋をつける。ダイコンは筋に沿って約20センチ間隔で穴を掘って、カブは筋の中に、それぞれ種をまく。紙コップに種を入れて、手でトントン。少量ずつ落としていく。ふと見ると、何と竹串で小さな種を1粒ずつ落としている人も。やはり農業にはそれだけの細やかさが必要なのか。それとも割と大ざっぱでも何とかなるものなのか。素人の私には分からない。収穫時に答えが出る。怖いような、楽しみなような。 作付けから最低4日間は毎日水やりが必要だと教わった。早朝、畑に通う日々が始まった。水やりに来られない人もおり、同期生同士で助け合う。種まきから2日後、同じ日にまいた同期生の畑にたくさん芽が出ている。で、私の畑は……。気配なし。なぜ? 水やりが足りなかったのかな。種を深く埋め過ぎたのかも。初めての農作業に自信が持てないせいで、いろいろ不安が頭をよぎる。 翌朝、目が覚めると急いで農園へ。どうか芽が出ていますように。祈りながら畑に近づく。すると、緑色の点々が目に飛び込んできた。発芽したー。 こうして毎日通うようになると、しんまい農園にも愛着が沸いてくる。畑の隣でいつも寝ている羊まで可愛く見えてくるから不思議なものだ。土作りや畝立てはきつかったけれど、農業には喜びがあるのだな。さっそく飛んで来て、大事な苗にせっせと卵を産み付けているモンシロチョウにおののきながらも、日々、野菜が成長する姿を楽しんでいる。あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>