石垣明真2025年9月10日 22時15分名古屋地方・高等裁判所 会社が適切な配慮を怠ったため、同僚からセクハラを受けたなどとして、愛知県内の女性が当時勤務していたヤマト運輸を相手取り、約3400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁(朝日貴浩裁判長)は10日、請求を棄却した一審・名古屋地裁判決を変更し、同社に約88万円の支払いを命じた。 女性は当時、契約社員として県内の拠点で配達業務を担当。18年12月~19年1月、業務指導をする側の先輩の男性従業員から胸を触られるなどのセクハラを受けたとして、会社側の安全配慮義務違反などを訴えていた。 一審・名古屋地裁判決は、女性が別の同僚にセクハラを申告した後の被害についてのみ、会社側の同義務違反を認定。一方で、精神的苦痛は男性が支払った70万円の損害金を超えるものではないと結論づけ、請求を退けていた。 これに対し、高裁判決は、男性が社内外でセクハラを繰り返していたと指摘。女性の入社前に集荷先でセクハラをし、営業所長らが謝罪をしたこともあった。判決は、会社が男性にセクハラに関する指導をせず、男性を車の助手席に乗せて行う「横乗り」という研修を行い、2人きりの機会を設けていたなどとして、同僚への被害申告前のセクハラにも同義務違反を認めた。セクハラ行為が原因で発声障害が生じたという女性の訴えは退けたが、障害が一時的に悪化したと認めた。そのうえで、セクハラによる損害は約150万円と認定した。 原告代理人の伊藤真悟弁護士は「行為が悪質で、大きな精神的苦痛を負ったと認定された。後遺障害との因果関係が認められず、被害者の実態に即した判断をしてほしかった」と話した。 ヤマト運輸は、朝日新聞の取材に対し「判決内容を精査した上で、今後の対応を検討する」とコメントした。【U30応援割】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら3カ月間月額99円!詳しくはこちらこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ9月10日 (水)日経平均 初の4万4000円台フランスのバイル内閣総辞職俳優の吉行和子さん死去9月9日 (火)自民総裁選 党員参加型にグーグル検索、AIが「答え」PM2.5で急性心筋梗塞リスク増9月8日 (月)石破首相が退陣表明小田凱人がゴールデンスラムふるさと納税、23区の苦境続く9月7日 (日)悠仁さまが成年式高校無償化、分かれる評価EU、グーグルに巨額制裁金トップニューストップページへ派閥からの資金「寄付でなく預かり金」 大野泰正元議員が検察に反論21:26立憲幹事長に安住氏起用へ、人脈と手腕に期待 野田代表が方針固める19:49日本人3人、韓国機で帰国へ 米ジョージア州の従業員拘束めぐり21:04田久保・伊東市長が議会解散「正直きつい」任期折り返しで再び市議選17:17イスラエル、カタール首都攻撃 ハマス5人死亡 トランプ政権は苦慮19:37交際2年間でセックスは2回だけ すべてが受け身な彼女への願いと今18:00