朝日新聞連載災害とまち 地域はどう変わったか記事有料記事贄川俊2026年1月12日 9時00分 災害で傷ついたまちをどう再建するのか。東日本大震災で持ち上がった問いは、能登半島地震でも突きつけられた。 2024年元日に起きた激しい揺れで3万棟以上が全半壊し、あちこちで集落が壊滅状態になった。能登半島地震から半年あまりが経った石川県輪島市中心部の様子。写真左奥の白い建物は仮設住宅=2024年6月13日、朝日新聞社機から石川知事「冷や水ぶっかけられたよう」 復興のあり方について口火を切ったのは、発災から3カ月後に出された財務相の諮問機関の提案だった。 「集約的なまちづくりやインフラ整備の在り方も含めて、十分な検討が必要ではないか」 これに石川県の馳浩知事が反発した。「正直、冷や水をぶっかけられたような気持ちだ」 5月に示された県の復興プランでは、集約についての言及はなかった。 ただ、被災地の中には別の考えもあった。 シンボルだった朝市が焼け、一時は約1万4千人が避難生活をした輪島市。山に囲まれた別所谷町地区では今、約10キロ離れた市中心部への集団移転の動きが進む。高齢者7割、週2回の移動販売車が頼り 約700年前から続くとされる集落は、住民79人のうち7割以上が高齢者。現役世代は車で中心部に働きに出る一方、買い物を週2回の移動販売車に頼る人も多かった。地震で家や道路が崩れていた。地震と水害で崩れた家屋を見つめる元区長の倉山邦雄さん=2025年12月8日午後、石川県輪島市別所谷町 集落を元通りにするのは難しい。住宅再建にあたって、市からはそう説明があった。市中心部の仮設住宅に身を寄せていた人を中心に話し合い、結論を出した。 「みんなで暮らせるなら一緒に移りたい」 「仮設住宅はスーパーも病院も歩いて行けるのは便利。移るならこの近くがいい」 元区長の倉山邦雄さん(77)は集落に戻るつもりでいたが、諦めた。「みんなが望むなら仕方がない」 輪島市では、ほかにも稲舟町と門前町浦上中屋の2地区で集団移転を検討する。いずれもより人の多い地域に移る計画で、「防災集団移転促進事業」(防集)を使う。輪島市で進む防災集団移転「集落の規模小さければ民間施設なくなる」 11年に3万人を超えていた市の人口は、2万人を切った。3割台だった高齢化率は5割超に。33%だった東日本大震災前の宮城県女川町の約1.5倍の水準だ。 こうした住民の意向も踏まえてできた輪島市の復興プランには、行政サービスが立ちゆかなくなる将来のまちの姿への危機意識がにじむ。 「公共施設や生活拠点の集約…この記事を書いた人贄川俊東京社会部専門・関心分野調査報道、労働問題、政治とカネ能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。地震をめぐる最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ1月12日 (月)冒頭解散「政治空白」と批判イラン抗議デモ、発生2週間どうなる「18歳成人式」1月11日 (日)通常国会冒頭の解散論浮上首都圏の中学受験が本格化天才チンパンジーのアイ逝く1月10日 (土)「私には国際法は必要ない」AV出演の被害相談止まらず諏訪理さん、初めての宇宙へ1月9日 (金)トランプ米大統領が脱退指示XのAIで勝手に性的画像にフェルメール代表作が日本へトップニューストップページへ解散検討、秘密主義貫く首相 選んだ「異例」の手法、政権内に禍根も20:15北日本から西日本の各地で大雪 12日も警戒呼びかけ 気象庁8:28大人用おむつが売れ始めたインド 10年後、高齢者2億人超えに7:00露骨になった基地の「報奨金」 巨大な国策、狭められる市民の選択5:00仏教を説くAIブッダ、ブータン僧侶が活用 国民80万人に広がるか6:0030年連れ添った事実婚夫婦 妻の死後に直面した「相続ゼロ」の現実17:00