根津弥2025年10月9日 17時00分農業用水をためるファームポンド(記事に直接の関係はありません)=宮崎県、農林水産省ウェブサイトから 農業用水をためる施設「ファームポンド」の耐震設計を会計検査院が調べたところ、調査対象施設の3割超で、必要な耐震性能が確保されていない恐れがあった。施設設計に関する農林水産省の指針が改定されず、新しい知見を踏まえたものになっていなかったという。 ファームポンドはコンクリートなどで造られた大型の水槽。高さ10メートル超の施設もあり、貯水池などからくみ上げた水をためて農地に供給する。農水省や都道府県などが整備している。 検査院によると、農水省は1999年、ファームポンドの設計の指針を定めた。その後、ファームポンドを含む農業用水などの施設全般について、04年と15年に耐震設計の基準を更新。最大級の地震を踏まえた、より厳しい設計を求めた。 だが、99年に定めたファームポンド自体の指針は改定しておらず、新たな考え方が適用されていなかった。その結果、5農政局と9県が15~24年度に造った71施設のうち、26施設の耐震設計が基準を満たしていなかった。 検査院は「どちらの耐震設計を適用するか明確に示されておらず、不適切だ」とした。農水省は指摘を受け、新たな基準に基づいて耐震設計を行うよう、各農政局や都道府県に周知。耐震性能が確保されていない恐れがある施設は、改修を検討するという。 農水省は取材に「指摘を厳粛に受け止め、改善措置を講じた」とした。この記事を書いた人根津弥東京社会部|会計検査院・調査報道担当専門・関心分野刑事司法、調査報道、人口減、災害復興こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ10月9日 (木)ノーベル化学賞に北川進氏アサヒ障害めぐり犯行声明生成AIの安全基準を整備へ10月8日 (水)自民党、新執行部が発足ノーベル賞 米国の研究者らに万博「運営費」黒字の見込み10月7日 (火)ノーベル賞 阪大の坂口志文氏日経平均 初の4万8100円台田園都市線 列車同士が衝突10月6日 (月)高市新総裁、党人事を調整「ごまさば」アニサキス注意世界遺産・白川郷でクマ出没トップニューストップページへユニクロ好調、アパレル世界2位が視野 売上高3.4兆円で過去最高16:01ふるさと納税で寄付額トップの泉佐野市、交付金の減額は「違法」14:03「まさか」の当選だった田久保市長 伊東市民は何を期待していたのか17:00トランプ氏のガザ和平案、合意至った背景 イスラエルの「借り」とは14:55ノーベル平和賞受賞で講演30倍超でも 93歳田中さんの気がかり15:01林真理子さんと読む昭和天皇の妻 活発な娘時代や嫁しゅうとめ関係は14:01