編集委員・吉田伸八2025年10月8日 9時24分 佐賀県警科学捜査研究所の職員(懲戒免職)がDNA型鑑定をめぐり不正を繰り返した問題で、警察庁は8日、同県警に対する特別監察を始めた。不正が続いた原因の分析や再発防止策の点検が目的で、県警の関係職員らの聴取や書類の確認を進める。県警は不正が「捜査や公判に影響はなかった」としているが、その判断に至った調査の内容が適切だったかも点検する。 警察庁から派遣されたのは、監察部門トップの片倉秀樹首席監察官や刑事局の担当官ら。警察庁の付属機関、科学警察研究所の藤井宏治・生物第4研究室長らDNA型鑑定の専門家も加わり、鑑定の体制や実施状況を確認する。初日は福田英之・県警本部長からも聞き取りを行うとみられる。特別監察の期間は未定という。佐賀県議会閉会後、報道陣の取材に応じる福田英之・県警本部長(右端)=2025年10月2日午後0時14分、佐賀市の県議会、渕沢貴子撮影 元職員は2017年6月~24年10月、実際には行っていない鑑定を行ったように装ったり、資料を紛失して別のものを警察署に返還したりといった、計130件の不正や不適切な行為を重ねていた。県警は鑑定の各段階で上司が立ち会うなどの再発防止策を発表している。過去には4府県警で 県議会や県弁護士会、日本弁護士連合会からは第三者による調査を求める声が相次いでいる。警察庁は、こうした指摘や批判の高まりをふまえ、今回の問題が鑑定に対する国民の信頼を損なう事態と重く受け止め、特別監察を決めたという。警察庁が入る庁舎=2024年9月2日午後1時17分、東京都千代田区 特別監察は、都道府県警の重大な不祥事などの場合に行う。警察庁に記録が残る11年以降、愛知(12年)、大阪(14年)、岡山(14年)、鹿児島(24年)の4府県警に対し実施されている。この記事を書いた人吉田伸八編集委員|警察庁担当専門・関心分野警察行政、事件、犯罪こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ10月8日 (水)自民党、新執行部が発足ノーベル賞 米国の研究者らに万博「運営費」黒字の見込み10月7日 (火)ノーベル賞 阪大の坂口志文氏日経平均 初の4万8100円台田園都市線 列車同士が衝突10月6日 (月)高市新総裁、党人事を調整「ごまさば」アニサキス注意世界遺産・白川郷でクマ出没10月5日 (日)高市早苗氏が自民党新総裁にハマス、条件付きで合意動画生成AI、修正へトップニューストップページへ「麻生さんにとって理想の布陣」 高市執行部、かけ離れた挙党一致21:10小6の時からオンカジで「常習賭博」か、警視庁が非行内容で児相通告5:00東京・月島で船同士の衝突事故 5人がけが、うち1人が意識不明8:23佐賀県警のDNA型鑑定不正、警察庁が特別監察始める 原因を分析9:24学士から修士まで5年で修了、大幅増に向け制度改正へ 文科省が方針5:00生活保護と車保有、自治体のジレンマ 厚労省の「注意喚起」に批判も9:00