有料記事荻原千明2025年10月9日 6時00分再審法改正を訴える前川彰司さん=2025年10月7日午後、衆院議員会館、荻原千明撮影 福井市で39年前に起きた女子中学生殺害事件で再審無罪となった前川彰司さん(60)が8日、東京・永田町の衆院議員会館で国会議員らを前に再審制度改正への思いを語った。冤罪(えんざい)被害者を迅速に救うために必要な見直しとは何か。自らの経験を踏まえ、公正な審理につながる法改正を求めた。 再審法改正をめざす超党派の国会議員連盟(364人、会長=柴山昌彦衆院議員)の総会に出席した。再審については刑事訴訟法に定めがあるが、証拠開示の基準や手続きが明確でなく、再審開始決定が出ても検察官が不服申し立て(抗告)をして審理が長引くなどの問題点が指摘されている。 前川さんは、自身の再審が開かれた要因として「裁判官の訴訟指揮で証拠開示が進んだ」ことを第一に挙げた。再審請求審で裁判官が強く働きかけ、検察が計287点を開示。有罪方向の証言と食い違う歌番組の放映日を記した捜査報告書も明らかになった。34年間にわたり検察が手元にとどめていたものだった。 これらが無罪を言い渡すべき明らかな新証拠とされ、再審開始決定が出た。「裁判官に『あたり』『はずれ』がある。(今回は)裁判官に審理への意欲が強くあったと思う」と振り返った。超党派の国会議員連盟の総会で発言する前川彰司さん(左)と会長の柴山昌彦衆院議員=2025年10月8日午前、衆院議員会館、荻原千明撮影 さらに、自らも苦しんだ検察官の不服申し立てに言及した。最初の再審請求で2011年に開始決定が出たものの検察官の申し立てで取り消され、最高裁で棄却決定が確定。2度目の再審請求で開始決定が確定したのは24年だった。 こうした再審をめぐる状況下…こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ10月9日 (木)ノーベル化学賞に北川進氏アサヒ障害めぐり犯行声明生成AIの安全基準を整備へ10月8日 (水)自民党、新執行部が発足ノーベル賞 米国の研究者らに万博「運営費」黒字の見込み10月7日 (火)ノーベル賞 阪大の坂口志文氏日経平均 初の4万8100円台田園都市線 列車同士が衝突10月6日 (月)高市新総裁、党人事を調整「ごまさば」アニサキス注意世界遺産・白川郷でクマ出没トップニューストップページへ対米開戦という最高機密も知っていた? 香淳皇后「実録」が語る生涯0:00終戦前夜「聖断」知らず?菓子作った香淳皇后の胸中 原武史氏に聞く0:00郵便物の不配非公表、過去分も近く公表へ 日本郵政社長、責任認める5:00経験した差別の「再燃」、知日派教授が懸念 高市総裁と日本への期待6:00保守派悲願のスパイ防止法制定、高市氏が注力 国家権力行使に危うさ22:22クリスマスイブに鳴ったiPhone 英で窃盗団摘発、4万台密輸か3:29