朝日新聞連載生活保護と車記事有料記事奈良美里 松本敏博 伊藤舞虹2025年10月9日 9時00分岩本菜々さんら2件のコメント駐車場から自宅までの約20メートルを約5分かけて歩く女性=2025年3月、三重県鈴鹿市、小玉重隆撮影 三重県鈴鹿市のアパートの駐車場に、古い自動車が止まっていた。20年以上前に販売されたトヨタのカローラ。車の側面と後ろには車いすマーク。ボンネットの塗装が一部、はげかかっている。 6年前、鈴鹿市は生活保護の利用を申請した持ち主の女性(73)に対し、「車の使用は認められない」と伝えた。 だが、女性には首やひざの関節が痛む障害があり、歩くことが難しい。病院や最寄りのスーパーに行くのも、この車が頼りだった。 市は代わりにタクシーなどを利用するよう求めたが、市内の運行台数は少なく、通院などで利用したいときに確実に予約ができる状況ではなかった。食費すら切り詰める生活の中では、タクシー代を払うのも苦しい。「車は私の足なんです」。女性は繰り返し訴えたが、市は追い打ちをかけるように、売却のための見積書を出すよう迫った。 22年11月、女性が見積書を提出しなかったとして、市は生活保護の支給を止めた。このとき、女性の口座には2万1687円しか残されていなかった。 女性は同月、市を提訴。そこ…この記事を書いた人奈良美里ネットワーク報道本部専門・関心分野人権、福祉、障害伊藤舞虹名古屋報道センター専門・関心分野子どもの福祉、社会保障、ジェンダー関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ10月9日 (木)ノーベル化学賞に北川進氏アサヒ障害めぐり犯行声明生成AIの安全基準を整備へ10月8日 (水)自民党、新執行部が発足ノーベル賞 米国の研究者らに万博「運営費」黒字の見込み10月7日 (火)ノーベル賞 阪大の坂口志文氏日経平均 初の4万8100円台田園都市線 列車同士が衝突10月6日 (月)高市新総裁、党人事を調整「ごまさば」アニサキス注意世界遺産・白川郷でクマ出没トップニューストップページへ「これからは気体の時代」 ノーベル賞・北川さんが描く争いなき世界5:00八丈島に大雨特別警報 史上1位の雨量 記者の宿泊先でも建物揺れる8:35あえて実録に記されなかった香淳皇后の発言・動静 宮内庁の説明は5:50トランプ氏の平和賞「将来が決める」 委員会トップ、事実上の否定?6:44揺れる旧岸田派、自民党総裁選でかつての伝統派閥が「非主流派」に6:30「より悪くない方」という選択 政治学者に聞く「悪さ加減」の現代性7:30