石垣明真 高橋俊成2025年10月10日 11時40分名古屋地方裁判所 ミャンマーを舞台にした国際的な詐欺事件で、16歳の少年らを特殊詐欺の「かけ子」として詐欺組織に紹介し、少年を中部空港(愛知県常滑市)に連れて行ったなどとして、職業安定法違反と所在国外移送誘拐の罪に問われた無職丸杉龍実被告(32)=住居不定=の初公判が10日、名古屋地裁であった。丸杉被告は「(間違っているところは)ないです。大丈夫です」と述べ、起訴内容を認めた。 検察側は「犯罪組織による常習的で悪質な犯行だ」として懲役5年を求刑し、弁護側は寛大な判決を求め、即日結審した。判決は11月19日。 起訴状などによると、丸杉被告は、海外で特殊詐欺を行っている人物らの依頼を受け、共謀の上、昨年11~12月、求職の申し込みをした少年(16)=少年院送致=と、石川翔紀(32)と谷地智成(22)の両被告=ともに詐欺罪で起訴=の顔写真などのデータを提供。3人を出国させ、かけ子として雇用させて有害な業務への職業紹介をしたとされる。タイに移送する目的で「海外で稼げる仕事がある」などと少年を誘い、昨年12月、名古屋市から中部空港へ車に乗せて誘拐したとされる。 捜査関係者によると、今年2月、少年が家族に「ミャンマーで中国マフィアに詐欺をさせられている。助けてほしい」と連絡し、タイ当局に保護されて帰国した。 愛知県警による少年への聴取から、ミャンマーの拠点で複数の日本人が警察官などをかたる特殊詐欺のかけ子をしていた疑いが浮上。丸杉被告がかけ子を紹介する「リクルーター」役を担っていたとみて、県警は6~8月に詐欺容疑などで逮捕(詐欺容疑については不起訴処分)。9月には、同じリクルーターのグループにいたとされる松本枝実子容疑者(35)を職業安定法違反容疑で逮捕している。 県警によると、現地の拠点は有刺鉄線に囲まれた場所にあり、敷地にはコンビニや病院などもあったとされる。かけ子には特殊詐欺の「ノルマ」が設定され、達成できなければ電気ショックなどの暴行を受けていたという。ミャンマー拠点詐欺ミャンマー東部の犯罪拠点に、日本人を含む多数の外国人がだまされて連れて行かれ、特殊詐欺に加担させられてきたことが明らかになりました。拠点に集められた人たちの解放と、犯罪抑止に向けた動きは。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ10月10日 (金)ガザ停戦へ合意 人質解放へ香淳皇后実録を公開ノーベル賞にハンガリー作家10月9日 (木)ノーベル化学賞に北川進氏アサヒ障害めぐり犯行声明生成AIの安全基準を整備へ10月8日 (水)自民党、新執行部が発足ノーベル賞 米国の研究者らに万博「運営費」黒字の見込み10月7日 (火)ノーベル賞 阪大の坂口志文氏日経平均 初の4万8100円台田園都市線 列車同士が衝突トップニューストップページへドジャースがサヨナラ勝ちで優勝決定S進出、佐々木朗希が3回好救援10:49公明、連立離脱も辞さない構え 斉藤代表、高市総裁ときょう会談2:00突然の強制送還、親子分離 「不法滞在者ゼロプラン」で変わったこと11:07ノーベル平和賞、有力候補は?市民団体や国連機関、ガザ支援に注目12:00トランプ大統領「政敵」のNY州司法長官を起訴 FBI元長官に続き10:00米トーク番組の休止 親会社の及び腰、覆した市民の声とマーケット11:00