入社早々しんどいと思ったら 新人が疑うべき九つの「思い違い」

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写真はイメージ=ゲッティ写真一覧 新年度が始まった。 期待と不安が相半ばする状態が続き、どっと疲れが出ている新社会人もいるはずだ。 上司や先輩に叱られたり、思うような結果が出なかったりと、試練はこれから次々とやってくる。 ネガティブな感情にからめとられてしまう前に、どうにかできないか。 公認心理師でシニア産業カウンセラーの宮本剛志さん(50)は、こうアドバイスする。 「『認知のクセ』を、見つめ直してみませんか」自分を追い詰める「認知のクセ」 宮本さんは、ハラスメント対策の企業研修や従業員対象のカウンセリングを手がける「メンタル・リンク」(東京都千代田区)の社長を務め、企業からの依頼で新人研修も数多く担当している。 入社早々に「しんどい」と感じても、それは珍しいことではないという。 「環境の変化はストレスの要因になります。学生から社会人へと適応しようとしている段階なわけですから、決して悪い反応ではありません」Advertisement ただ、今後のためにも目を向けてほしいのが、自らの「認知のクセ」なのだという。 シンプルに言えば、「思い違い」だ。「認知のクセ」の主な例写真一覧 大まかに9項目ある(別表参照)。 一例は――。 ・全か無かで考える(完璧主義) (例)入社前に、社会人として○○について全て完璧に学んでおかないとダメだ。/上司に注意された。もう自分は終わりだ。 ・空気を読みすぎて、結論が飛躍する (例)あの上司は何だか素っ気ない。私がこの会社に合わないと思っているんだろう。 ・何でも自分のせいにする (例)先輩がイライラしているように見える。私が何かしたせいに違いない。 こうした認知のクセが日常化すれば、不安は募るばかり。 自信のなさが言動に表れたり、ミスを繰り返してさらに自信を喪失したりと、「負のスパイラル」に陥ってしまいかねない。記録・分析・助言 では、どうするか。 宮本さんが提案しているのが、「記録する」「分析する」「アドバイザーになる」の3ステップの実践だ。門出の春。みんな最初はフレッシュだった(写真はイメージ)=ゲッティ写真一覧 不安を感じる出来事があったら、日付や内容、その際の感情をメモする。 メモを見返し、「認知のクセ」のどれに該当するか分析する。 そして、視野が狭くなっている自分に「こういう捉え方もできるよ」と第三者的にアドバイスしてみる――というもの。 「無理にポジティブになりましょう、と言っているのではありません」 宮本さんはこう続ける。 「別の考え方を取り入れる、ということです。友達が同じことで困っているとしたら、どう声をかけますか。『いいから頑張れ』とはさすがに言わないなっていう状況でも、自分のことだと無意識に追い込んでしまっているかもしれません」 もちろん、不眠、食欲不振、頭痛やめまいなど体調に支障を来している場合は、医師やカウンセラーなどの専門家を頼る必要がある。 パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどが横行しているようなら、認知のクセ以前にハラスメントの行為者や職場に問題があることは、言うまでもない。ゆっくり走れば、ゴールできる 厚生労働省が実施した2024年の労働安全衛生調査(実態調査)によると、「現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合」は68・3%だった(前年は82・7%)。 「20代であれ50代であれ、みんな強いストレスを感じている。だから、『自分だけが弱い』とは思わないでほしいです。自然なことですから」こんな日々が続くことも(写真はイメージ)=ゲッティ写真一覧 少しでも快適に社会人生活を過ごすために、日々の生活からできることはないだろうか。 早寝早起き、栄養バランスのとれた食事はやっぱり大事。 さらに宮本さんが強調するのは、学生時代に好きで続けていた習慣を緩やかに継続することだ。 社会人になって余裕がなくなり、そうした時間を持てなくなったとこぼす新社会人は少なくないと、宮本さんは言う。 「筋トレや朝のランニング、料理など何でもいい。週1回、月1回に減らしても、そうした時間は自分のために残してあげてほしいですね」 悩める新入社員がいたら、宮本さんならどう声をかけるだろう。 「環境が変わったばかりなんでね、まずは行けたらOKです。マラソンのように、まずはゆっくり走ることを意識しましょう。給水を挟みながら、何年後か何十年後か、自分の思うようなペースで走りきれるようになっていれば、いいんです」【千脇康平】みやもと・つよし宮本剛志さん=本人提供写真一覧 1976年横浜市生まれ。教育関係の企業で管理職を務め、部下との関係に悩んだことをきっかけにハラスメント対策を学ぶ。2018年に起業し、心理学に基づく研修や面談を実施。著書に「怒る上司のトリセツ」(時事通信社)、「なぜパワハラは起こるのか 職場のパワハラをなくすための方法」(ぱる出版)など。