朝日新聞記事インタビュー2026年4月3日 8時30分有料記事聞き手=編集委員・友野賀世全国手をつなぐ育成会連合会顧問の久保厚子さん=本人提供 知的障害や認知症がある人が利用する「成年後見制度」は、一度使い始めたらやめられないことや、利用者の権利を制約しすぎることが問題視されてきました。政府は、こうした点を見直し、やめられる仕組みに変える方針です。知的障害がある本人と家族らでつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」顧問の久保厚子さんに、見直しについての評価と課題を聞きました。 ――知的障害がある人が利用をやめる、言い換えると、一時的に制度を利用するのは、どんな場合が想定されますか。 いま後見を使うきっかけで一番多いのは、両親のどちらかが亡くなって遺産相続をするときです。利害関係がある家族は後見人になれないので、専門職が就任する。相続が終わった後は何もみていただく必要はないのだけれども、後見人がついたままでずっと報酬を払い続けるということが起きています。新しい制度になれば、こうした場合は終わりにできます。 ――今回の見直しは、利用をやめられる仕組みにすることと、利用する本人の意思を尊重する仕組みにすることが大きな柱です。どう評価しますか。本人の力をいかす方向性 大いに評価 全体としては大変評価しています。私がずっと言ってきたのは、たとえばお店で食事をするときにメニューから「私はこれとこれを食べたい」と選びますよね、成年後見もそんな形であってほしいんだ、ということです。今回の見直しはそれに近い形、本人の持っている力をいかす形になっていると思います。 今の制度は後見人さんが全面的な「代理権」とか「取消権」を持っていて、全部後見人さんに行ってしまう。後見人がつくことで、時間をかけて本人ができるようになったことが、またできなくなってしまうかもしれない。親としてそれはとても恐ろしいのです。 本人らしい暮らしのためにお金を使ってほしいのにそうならない、財産を守ることが一番になってしまうという声も、会のアンケートなどを通じて届いています。また、後見制度を使わない理由の一つは、いったん使うと本人が死ぬまでやめられないことです。 そういう意味で、包括的な権限がある後見人などをなくして必要なことを個別に支援する補助人に一本化し、やめられるようにもなる法改正は大変評価するところが多いです。 ――心配なことはありますか。 利用をやめられるようになるのはいいのですが、やめた後に地域で本人の権利を守れる仕組みが全国どこでも整うかどうか。まだ整っているとは言えません。 整っていないところでは、利用をやめた後に本人が荒野に放り出されてしまう感じになりかねない。そんなことになるなら本人に権限は何もなくても守るには守ってくれる前の仕組みのほうがよかった、となってしまうかもしれない。そこは心配しています。 ――「本人の意思の尊重」を言葉だけにしないことも大事ですね。 障害の特性や障害者のことをよく知らない方がいくら「本人の意思決定を支援する」と言っても、親としては本当に支援してもらえるんですか?と思ってしまいます。 私たちの会には、家庭裁判所…【スタンダードコース|デジタルのみ】今なら4カ月間月額200円で読み放題/再入会は500円!詳しくはこちら【ダブルコース半年割|宅配購読者限定】今だけ超特価!はじめの4カ月間は月額100円!詳しくはこちらこの記事を書いた人友野賀世編集委員専門・関心分野社会保障、高齢期の暮らしにかかわるあれこれ関連トピック・ジャンル関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ4月3日 (金)トランプ氏「誤算」あらわに月をめざし有人ロケット発射納豆の輸出「爆発的な伸び」4月2日 (木)自転車への「青切符」開始ホルムズ代替路 封鎖「選択肢」一様でない入社式 時代の波4月1日 (水)KDDI子会社が不正会計銀行の投資や融資、緩和へ大阪桐蔭 4年ぶり5度目V3月31日 (火)8.6兆円の暫定予算が成立4月から共同親権がスタート田久保・前伊東市長 在宅起訴トップニューストップページへトランプ氏がボンディ司法長官を更迭 エプスタイン文書対応に不満か6:48AI軍事利用巡るアンソロピックとの裁判で、米政権が控訴 続く係争7:44京都新聞がXに投稿の削除を要請 知事選の情勢報道めぐる誤情報22:23キューバ移民の町で聞いたトランプ氏への期待 「手段は全て使って」6:00ハチも先客を気にする、18年越し解明 花には「逆転のチャンス」か8:00高血圧に新治療、神経を焼いて血圧を下げる 対象どんな人?効果は?7:00