朝日新聞連載深流Ⅶ 「安倍氏銃撃」裁判記事2025年11月20日 12時00分(2025年11月20日 12時00分更新)山上徹也被告=2023年2月 安倍晋三元首相銃撃事件の第10回公判は20日午後1時10分から、奈良地裁で開かれ、被告人質問が予定されています。初公判で「すべて事実です。私がしたことに間違いありません」と話した山上徹也被告(45)が何を語るのか。タイムラインで詳報します。被告人質問のポイント 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への恨みが、なぜ安倍氏に向かったのか。自身の言葉でどう説明するのか注目される。 これまでの裁判では、弁護側の証人として被告の母親と妹が出廷。母親の信仰に翻弄(ほんろう)された家庭環境が浮かび上がった。 母親は妹が小学1年のときに教団に入信した。やがて多額の献金が発覚し、家族は同居する祖父から「出て行け。面倒を見切れない」などと強くとがめられるようになったという。 「祖父は私と徹也に愛情を注いでくれた唯一の存在だった」。だからこそ、行き場のなさを感じたと妹は証言した。 「父親代わりだった」という祖父は、被告の高校卒業を前に亡くなった。被告は大学進学を断念し、消防士になろうと公務員試験の勉強をした時期もあった。 2002年に自衛隊に入った頃、母親は自己破産。祖父が孫に残そうとした財産までも、献金につぎ込んだという。被告は05年に保険金の受取先を兄と妹にして、自殺を図った。 裁判では、10~12年ごろにやりとりされた被告の携帯電話のメールも示された。 「愚かなことをし続けるなんてありえないどころじゃない」「老後どうするつもりなのか」。母親の献金を強くとがめる文言があった。 「統一教会はおそるべし」「家がめちゃくちゃになった」。兄や妹とのメールからは、兄妹が教団への恨みを募らせていく様子が浮かんだ。 兄は15年に自殺した。それから事件まで、被告は母親とはほとんど連絡をとっていない。 22年に41歳で犯行に至るまでに何があったのか。被告人質問でどこまで解明されるかも大きな焦点だ。【11月25日まで】全記事が読み放題のコースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら安倍晋三元首相銃撃事件2022年の安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告の裁判が始まりました。旧統一教会の影響をめぐる検察と弁護団の対立などから公判前整理手続きが長期化し、初公判まで3年余りを要しました。関連ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月20日 (木)日本の水産物輸入、事実上停止大分火災170棟以上で延焼田久保前市長が立候補を表明11月19日 (水)日本生命、役員ら減給処分日経平均、5万円割り込む日中、平行線の主張11月18日 (火)日本と中国、局長級協議へ1年半ぶりのマイナス成長戦争死者 376万人と推計11月17日 (月)電気ガス補助 月2千円以上高市内閣支持率、69%暗号資産を金融商品にトップニューストップページへ安保3文書、前倒し改定へ自民が議論開始 防衛費のさらなる増額視野11:25大火の佐賀関に空き家561件 手放したくても取り壊せない事情6:00「これだけ支持率高いと…」 当初の見立て一変、高市首相に集まる力12:00EU、AI法の一部施行を延期 規制緩和で陰る「ブリュッセル効果」7:00愛犬が目の前でクマに引きずられ… 狙われるペット、爆竹持って散歩10:30性被害隣り合わせの日常、忍ばせた青酸カリ ソ連兵におびえた敗戦後9:00