砂山風磨2025年11月18日 6時00分3次提訴を前に金沢地裁の前を行進する原告団=2025年11月17日午後、金沢市丸の内、砂山風磨撮影 石川、富山両県の住民が北陸電力志賀原発1、2号機(石川県志賀町)の運転差し止めを求めている金沢地裁の訴訟で17日、新たに60人が提訴した。2012年6月の提訴から数えて第3次となり、原告は延べ185人になる。 提訴したのは、18道府県に住む20~70代の男女。石川、富山両県の計33人のほか、福井県の8人など北海道から鹿児島までの住民が加わった。 報告集会では、原告4人が決意を述べた。石川県珠洲市の寺の副住職・落合紅(こう)さん(47)は昨年元日の能登半島地震で被災。1月6日に子どもを連れて避難しようと金沢市へ向かったが、陥没したり、崩れたりした道路を何度も迂回(うかい)し、9時間以上かかったという。 「たまたま原発は止まっていたが、もし動いていて、事故が起きていたら、私たちは逃げられないと感じた」と語った。原発事故を懸念し「救助に来る人も被災地に入れなくなる。放射能の汚染があると、避難先が『どうぞ、どうぞ』と受け入れてくれるかどうかも分からない」と訴えた。 地震後に裁判を傍聴するようになり、原告になると決めた。「私と同じくらいの世代や、下の世代の人たちにもっと興味を持ってもらえるように活動したい」と話した。 原告団長の北野進さん(65)は、昨年元日の地震によって「志賀原発の安全性への懸念が高まった」と説明。「地震を直接経験し、原発の危険性を肌で感じた人たちが原告に加わって、生の声を法廷に届けてくれるのは大きな力になる」と期待した。 また、最初の提訴から13年以上が経過したことに触れ「若い人や全国の人に関わってもらうことで、長い闘いに向けた組織を築きたかった」と述べた。 次回の口頭弁論は来年1月19日。原告側は1~3次提訴について、あわせて審理することを求めている。 志賀原発は11年から運転を停止中。北陸電は2号機の再稼働をめざし、原子力規制委員会の審査を受けている。北陸電は取材に「訴状を受領していないため、現時点で回答は差し控える」と答えた。【11月25日まで】全記事が読み放題のコースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。地震をめぐる最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月18日 (火)日本と中国、局長級協議へ1年半ぶりのマイナス成長戦争死者 376万人と推計11月17日 (月)電気ガス補助 月2千円以上高市内閣支持率、69%暗号資産を金融商品に11月16日 (日)「非核三原則」見直し検討へ中国、日本渡航自粛呼びかけ東京都、宿泊税引き上げ検討11月15日 (土)日中、非難の応酬デフリンピックきょう開幕大谷翔平 4度目のMVPトップニューストップページへ生活保護費、再引き下げへ 最高裁対応で厚労省案 原告には特別給付5:00相次ぐ訪日旅行のキャンセル、商談も中止 識者「日中政府は冷静に」18:00都議会の議員報酬2割削減、議論なく終了「我々も物価高で苦しい…」5:00伊東市長選へ相次ぎ名乗り、再選挙も現実味 田久保氏も近く表明へ18:30「うちの子は悪くない」保護者から苦情3時間 教員は病み休職した6:00セクハラ被害者に「あんた話したの?」南城市長の失職、決め手は録音18:00