特派員の目毎日新聞 2025/11/19 10:00(最終更新 11/19 10:00) 901文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷ビル・ゲイツ氏=ニューヨークで2025年9月24日、ロイター マイクロソフトの共同創業者、ビル・ゲイツ氏のブログが波紋を広げている。10月末に発表したタイトルは「気候変動に関する三つの厳しい真実」。英語で5000語を超える長文で、気候対策の「戦略的転換」を呼びかけた。ゲイツ氏は4年前の著書で気候変動への対応の必要性を訴え、二酸化炭素(CO2)削減を目的とした技術革新にも莫大(ばくだい)な資金を投じてきた。その人物が路線変更を示唆したと受け止められ、注目が集まった。 「私(私たち!)は気候変動のデマとの戦いに勝った。ビル・ゲイツはついに自分の誤りを認めた」。ソーシャルメディアでこう反応したのは、9月の国連演説で気候対策を「詐欺」と呼んだトランプ米大統領だ。「ゲイツが屈服した」と伝える右派メディアもあった。Advertisement 米国において気候変動への姿勢は、銃規制や人工妊娠中絶と並ぶ「文化戦争」の主要な争点の一つだ。信条や価値観がニュースや発言の受け止めを決定づけ、異なる「真実」が生まれる。その文脈の中でゲイツ氏の発信も政治的に利用された。 もっとも、ゲイツ氏はトランプ氏の主張を「とんでもない誤解だ」と米メディアに語っている。彼は気候変動の深刻さを否定したわけではない。主張の骨子は、①気候変動は深刻だが文明を終わらせはしない②気温だけが気候対策の進捗(しんちょく)を測る最良の方法ではない③健康と繁栄こそ最善の防護策になる――という三つ。そのうえで、気温の抑制に向けられている限られた資源を、適応策や低所得国の貧困支援に振り向けるべきだと提案した。 一理ある。しかし、貧困や健康、気候は地続きの課題だ。科学コミュニケーターで気象学者のダニエル・スウェイン氏は、ゲイツ氏が「すべてがうまくいく世界」と「世界の終わり」という誤った二項対立に陥っていると批判する。「その間に起こり得るリスクは山ほどある。莫大な資金と権力がある人物の問題設定としては不適切だ」 より重要なのは、ゲイツ氏が語らなかったもう一つの「厳しい真実」だ。トランプ政権下で進んだ対外支援の削減やエネルギー移行の逆行である。その沈黙に、いまの米国を覆う畏怖(いふ)と疲弊がにじむ。【ニューヨーク八田浩輔】【前の記事】中国は怖い? 隣国を知る難しさ=河津啓介関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>