東大病院医師の逮捕劇 「二つの事件」ひそかに追った警視庁捜査2課

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有料記事三井新 西岡矩毅2025年11月19日 21時15分汚職事件の舞台となった東京大学の赤門。工事で赤門は閉ざされていた=2025年11月19日、東京都文京区本郷7丁目、西岡矩毅撮影 医療機器メーカーから70万円近くの賄賂を受け取ったとして東京大学医学部付属病院医師の松原全宏容疑者(53)が19日、収賄容疑で逮捕された。東大医学部を出て、日本の医学・医療の最前線で15年以上働いた容疑者は、なぜ逮捕されることになったのか。きっかけは100キロ以上離れた長野県でのある事件だった。 「救急医療」「再生医療」「骨密度」。東京大学で容疑者を紹介するホームページには、医療分野の論文がずらっと並んでいた。准教授の肩書も持つ松原容疑者が、これまでに関わった研究成果だという。 捜査関係者によると、容疑者は1997年に東大医学部を卒業し、東大病院に採用された。出向を経て2007年に東大病院に戻り、15年以上勤務する。「外傷診チーフ」として骨折患者の手術手がける 同病院の救急・集中治療科に所属しながら、整形外科・脊椎(せきつい)外科の「外傷診チーフ」として骨折患者の手術などを担当していた。 ところが11月19日。汚職事件などを手がける、警視庁捜査2課に収賄容疑で逮捕された。 容疑は2021年9月と23年1月、ある医療機器メーカーが扱う大腿(だいたい)骨のインプラントなどの納入に関して、東大病院での選定・使用で便宜を図る趣旨で、メーカーから寄付金として振り込まれた現金計約70万円を受け取ったというものだった。収賄事件の構図 メーカーの名前は東京都新宿区にある「日本エム・ディ・エム」。 信用調査会社などによると、整形外科向けの医療機器の開発や販売などを手がける。1973年設立で、東証プライム上場。今年3月期の従業員数は538人、売上高は過去最高の約251億円だった(いずれも連結)。 今年6~7月、同社の元社員ら3人が長野県佐久市立国保浅間総合病院の医師2人に現金を渡したとして贈賄容疑で書類送検され、起訴されていた。 この事件の捜査をしていたのが、警視庁捜査2課だった。 同課の捜査員はその後もひそ…【11月25日まで】全記事が読み放題のコースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちらこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月19日 (水)日本生命、役員ら減給処分日経平均、5万円割り込む日中、平行線の主張11月18日 (火)日本と中国、局長級協議へ1年半ぶりのマイナス成長戦争死者 376万人と推計11月17日 (月)電気ガス補助 月2千円以上高市内閣支持率、69%暗号資産を金融商品に11月16日 (日)「非核三原則」見直し検討へ中国、日本渡航自粛呼びかけ東京都、宿泊税引き上げ検討トップニューストップページへ東大病院の医師を逮捕 メーカーから寄付金名目で現金を受け取ったか20:50柏崎刈羽原発で秘密文書の管理不備 東電社員が無断で持ち出しコピー21:06山上被告の母の信仰で「家庭破壊」 宗教2世の苦しみ「対処できず」19:50米議会、エプスタイン文書開示を承認 トランプ氏の指導力に揺らぎも17:30「大会の顔」山田真樹が日本勢の金メダル第1号 デフリンピック陸上18:47御厨貴さんが語る自民 「政治家は長期的視野を、刹那主義ではなく」18:00