戦争で死亡の日本人、376万人と推計 政府公表の310万人と開き

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独自有料記事阿部彰芳2025年11月17日 5時00分千鳥ケ淵戦没者墓苑で献花する人たち=2024年8月15日、東京都千代田区、川村直子撮影 国の死亡統計が存在しない日中戦争と太平洋戦争末期の1944年と45年に亡くなった日本人は全体で約626万人と推計されることが、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の研究者の調査で明らかになった。戦争による死亡数は約376万人にのぼると推計された。政府は戦没者が約310万人だったとしており、戦争被害が過小に評価されてきた可能性がある。 社人研の林玲子所長が調査し、社人研の「人口問題研究」6月号(https://doi.org/10.50870/0002000515)で発表した。社人研は厚生労働省のもとに置かれた社会保障や人口問題の調査、研究を行う研究機関。将来推計人口などを公表している。 44、45年の死亡数を推計するため、5年ごとに行われる国勢調査の40年と55年の人口を用いた。このデータに、40~55年の出生数と死亡数を入手できる限り集めて反映し、43年末時点と45年末時点の人口を推計。45年末の人口が43年末よりどのぐらい少ないか計算し、44、45年の死亡数を導き出した。 推計にあたって、当時、日本が統治していた朝鮮や台湾のほか、樺太、中国・関東州や傀儡(かいらい)国家の満州国などに居住していた日本人のデータも用いた。欠落しているデータは補正や推計で補った。 その結果、44、45年の日本人の死亡総数は625万5716人。直前の42、43年(計約238万人)の2.6倍だった。44、45年の戦争による死亡数を調べるため、42、43年の死亡率から想定される死亡数よりどれだけ多いかを示す「超過死亡数」を計算すると、376万4549人だった。 今回の推定死亡数には、43年以前の戦死や戦傷、戦病で死亡した軍人らも含まれるとみられている。推計に用いた戦時中の人口動態統計から、戦死や戦傷、戦病による死亡数が除外されているためだ。 死亡数は統計の最も基本的なデータの一つだ。政府は「人口動態統計」で1899年からの死亡数を公表している。しかし、1944~46年のデータは掲載されていない。 44年と45年にも調査は行われたが、戦災で調査票が焼失したり、調査ができなかったりした地域があり、統計から除かれている。46年は、データは存在するが、時期によって集計方法が異なり、統計から省かれている。 死亡統計はないが、戦争の犠牲者が44~45年に集中していることは明らかだ。旧日本軍の死没データについては、岩手県が詳細な記録を残しており、それによると66%が44年1月1日~45年8月15日に死亡し、それ以降に15%が死亡している。 本土空襲は44年11月から本格化し、45年に入ると、東京大空襲や沖縄戦があり、広島・長崎に原爆が投下され、何十万人もの一般人が犠牲になった。政府公表と60万人以上の開き、なぜ? 政府が公表する戦没者「31…【11月25日まで】全記事が読み放題のコースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちらこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月17日 (月)電気ガス補助 月2千円以上高市内閣支持率、69%暗号資産を金融商品に11月16日 (日)「非核三原則」見直し検討へ中国、日本渡航自粛呼びかけ東京都、宿泊税引き上げ検討11月15日 (土)日中、非難の応酬デフリンピックきょう開幕大谷翔平 4度目のMVP11月14日 (金)総合経済対策案を与党に提示山上被告の母、遺族らに謝罪警察官がクマ駆除可能にトップニューストップページへ高市内閣支持69% 歴代屈指の高さ維持 物価高対応評価 朝日世論21:30福島市長選で馬場氏が初当選 33歳の前衆院議員が2期目の現職破る22:52赤坂のライブハウス前、出演前の女性刺され重傷 男が自転車で逃走か18:03日中世論調査、結果発表を再延期 中国側が「日中関係を踏まえ」通告20:00風の谷のナウシカ「メーヴェ」モデルの飛行機 ラストフライトに歓声18:3090歳の絵筆、やっと描けたあの日の記憶 「逃げてきた。伝えんば」13:00