2025年11月の「Patch Tuesday」で配信された Windows 11 KB5068861は、63件の重大なセキュリティ修正を含む重要なアップデートです。しかし、一部のユーザー環境ではインストール失敗やネットワーク関連の不具合など、いくつかの問題が報告されていることがわかりました(Windows Latest)。まず、インストールエラーに関しては、0x80070306、0x800f081f、0x800f0983といったエラーコードが表示され、SFCスキャンや /checkhealth では解決しない模様。ただし広範囲で発生しているわけではなく、一部の環境でのみ発生している問題のようです。更新プログラムインストール後に報告されている問題には、SMB検索の不具合があります。ネットワーク共有フォルダでの検索が遅い、または結果が空になるというもので、サーバー側のインデックスを正しく利用できず、Windowsが再インデックスを試みるためパフォーマンスが低下する場合もあるようです。ASUS ROG AllyなどのハンドヘルドPCでは、Bluetoothが動作不良になるという問題も報告されています。この問題は、AMD Bluetooth Audio デバイスを無効化した後、Mediatekアダプタを再有効化することで改善するケースもあるようです。さらに一部環境でネットワーク回線速度が950Mbpsから15Mbpsに激減したという問題も報告されています。この問題は、システム復元で改善する場合もある模様。それぞれの対処法KB5068861がインストールできないという問題は、Microsoft Update Catalog からスタンドアロンの更新プログラムである.msuを直接ダウンロードしてインストールする方法が有効です。それでも失敗する場合はメディア作成ツールを利用し、データを維持したまま上書きインストールする回避方法もあります。SMB検索の不具合に対しては、PowerShellで検索関連パッケージをリセットする回避策が提案されています。Get-AppxPackage -AllUsers *MicrosoftWindows.Client.WebExperience* | Reset-AppxPackageGet-AppxPackage -AllUsers *MicrosoftWindows.Client.CBS* | Reset-AppxPackageRestart-Service WSearchまたは、「コントロールパネル > インデックスのオプション > 詳細設定 > 再構築」で再インデックスを行う方法もあります。ただし、SMB検索が完全に動作しない場合は、アップデートをアンインストールする以外の方法がないようです。まとめKB5068861はセキュリティ的に重要なアップデートですが、企業環境では SMB検索に関する不具合やネットワーク速度低下が大きなリスクになる可能性があります。業務に直結する不具合が発生している場合、アンインストールも含めて検討すべきかもしれません。