黒田早織2025年11月17日 15時27分会見する原告男性の代理人弁護士たち。右から海渡雄一、高遠あゆ子、小竹広子弁護士=2025年11月17日午前11時38分、東京・霞が関、黒田早織撮影 東京拘置所の居室で、男性刑務官が収容者の陰茎を触るわいせつ行為をしたとして、被害者の男性が国に220万円の賠償を求めた訴訟があり、東京地裁で17日に和解が成立した。国が60万円の解決金を支払うほか、性犯罪の再発防止研修を東京拘置所で行うなどの内容を盛り込んだ。 訴状によると、男性は東京拘置所に収容されていた2021年12月、夜勤時間帯に居室を巡回していた刑務官に「見せて」などと言われてズボンを下ろさせられ、約5分間にわたり陰茎を触られた。男性は翌日、別の職員に被害を訴えたが約1週間は担当刑務官や居室の変更などの対応がとられず、職員から「被害届を出すのは止めてくれ」などと言われた。 男性はこの刑務官を特別公務員暴行陵虐容疑で告訴し、22年に有罪判決が確定した。男性は23年に提訴し、刑務官のわいせつ行為に加え、捜査の過程で被害を再現させられて写真を撮られたことなどで精神的苦痛を受けたと主張した。刑務官は事件後、懲戒処分を受けて辞職した。 男性の代理人弁護士によると、和解条項はまず、東京拘置所長が「遺憾の意を表し再発防止に努める」と明記。「刑務官と被収容者は圧倒的な支配服従関係に陥ることがある」「性犯罪被害者の心情に配慮し、二次被害を防ぐ」ことなどに関する研修を東京拘置所で進めるとしている。 男性の代理人の海渡雄一弁護士は「こうした研修の実施は判決には盛り込めず、非常に意義深い和解だ。他の刑事施設でも実施されるのが望ましい」と話した。【11月25日まで】全記事が読み放題のコースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちらこの記事を書いた人黒田早織東京社会部|裁判担当専門・関心分野司法、在日外国人、ジェンダー、精神医療・ケアこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ11月17日 (月)電気ガス補助 月2千円以上高市内閣支持率、69%暗号資産を金融商品に11月16日 (日)「非核三原則」見直し検討へ中国、日本渡航自粛呼びかけ東京都、宿泊税引き上げ検討11月15日 (土)日中、非難の応酬デフリンピックきょう開幕大谷翔平 4度目のMVP11月14日 (金)総合経済対策案を与党に提示山上被告の母、遺族らに謝罪警察官がクマ駆除可能にトップニューストップページへ中国の複数の旅行社、日本ツアーを中止 政府の訪日自粛要請受け15:00東京ー北京フォーラム延期 中国側「高市首相が誤った立場撤回せず」14:45買春した客に手錠、売春女性を保護…パリにいた研究者が流した涙12:00超満員「主婦投資家」講座、運用でしのぐ物価高 個人マネーで株高に11:00戦争で死亡の日本人、376万人と推計 政府公表の310万人と開き5:00お年寄りは「見た目で人を信じすぎ」本当? 「汚職政治家」使い検証11:30