震災から30年過ぎても二重ローン返済 住まいの再建、しくみは今

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有料記事瀬戸口和秀 谷辺晃子2026年1月16日 6時00分 1995年の阪神・淡路大震災では住宅約25万棟が全半壊し、多くの被災者が二重ローンを抱えた。兵庫県西宮市に住む60代の女性は震災から30年過ぎたいまも、返済を続けている。阪神大震災で倒壊した住宅や商店=1995年1月17日、兵庫県西宮市 「『あしたのご飯、どうしよう』と思ったこともあり、ほんまに大変やった」。女性はそう振り返る。 最初に家を買ったのは85年。それまで会社員の夫と長男の3人で暮らしていたアパートが、次男の誕生で手狭になったからだ。築約20年の木造2階建て。リフォーム代を含め約1800万円を銀行から借り、20年のローンを組んだ。 その後、長女が生まれ、家族が5人になったところで、95年に震災が起きる。全員無事だったが、家は外壁が崩れ、屋根瓦は半分ほど落ちた。全壊判定を受け、市外の賃貸住宅に移った。 当時、家の再建を支援する公的な制度はなかった。全国から寄せられた義援金は約1800億円にのぼったが、被災者が多かったため、受け取ったのは1世帯あたり約40万円。県内の地震保険の世帯加入率は3%程度で、女性宅も入っていなかった。 木造2階建ての家の再建費用は約2500万円で、銀行と住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)から借りた。全壊した家のローンの残高と合わせ、約3500万円を35年かけて返すことにした。ローン残り500万円以上 美容師だった女性の手取りは月約8万円で、夫は約20万円。10万円余りを返すと、生活はぎりぎりの状態だった。 震災5年後に生まれた三男を含め、子ども4人は育ち盛り。少しでも安い食材を求めてスーパーを回った。誕生日やクリスマスにプレゼントは買えず、外食や家族旅行をする余裕もなかった。 長男、長女、三男は奨学金で専門学校に通い、次男はアルバイトをして私立大の学費を払った。そして2年生のとき、家計を気遣って中退し、アルバイト先で働き続けた。 いま、子どもたちは巣立ったが、ローンはまだ500万円以上残り、月々の支払いは8万円を超える。返済が終わるのは約5年後。女性は親の介護もあって働けず、タクシー運転手になった夫は73歳まで働き続けなければならない。女性が銀行から借りているローンの残高。他の金融機関からも借りており、残高は合計500万円以上になる=兵庫県西宮市、内海日和撮影住まいの再建、揺らぎ始めたしくみ記事の後半では、震災をきっかけにできた制度が、迫る大災害を前に揺らぎ始めている状況を伝えます。「共助」「公助」「自助」の三つのポイントに分けて説明します。見直し迫られた「共助」 昨年12月、住宅の再建支援…阪神・淡路大震災1995年1月17日に発生し、6434人が亡くなった阪神・淡路大震災。震災とともに生きてきた人々のストーリーなどをお伝えします。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ1月16日 (金)立憲と公明、新党結成で合意維新、兵庫県議ら6人除名軽井沢のバス事故から10年1月15日 (木)首相、衆院解散の意向伝える芥川賞・直木賞が決定規制委、中部電に立ち入りへ1月14日 (水)衆院選ならば辞職意向日経平均、最高値更新久米宏さん死去1月13日 (火)立憲と公明「連携」で合意FRB議長、刑事捜査の対象に高校サッカー 神村学園が初Vトップニューストップページへまさかの新党結成、露と消えた自民の期待 選挙戦略の保守化に懸念も17:51【詳報】大阪ダブル選、吉村氏が表明 「意味ない」維新議員から批判23:09震災から30年過ぎても二重ローン返済 住まいの再建、しくみは今6:00外国人への不安の果てに デンマークが突き進む、移民の「強制移転」6:00強制執行への立ち会い数百回 不動産会社員が明かす賃貸立ち退き現場17:4556歳でひきこもった男性、認知症になった母の介護を通じて得た自信10:00