朝日新聞連載核なき世界へ NPTと核兵器禁止条約記事有料記事聞き手=核と人類取材センター・田井中雅人 杢田光2026年1月19日 6時00分アレクサンダー・クメントさん=2025年2月8日、東京都内、興野優平撮影 1月22日に発効から5年となる核兵器禁止条約(核禁条約)の意義とは何か。第1回締約国会議で議長を務めたオーストリア外務省のアレクサンダー・クメント軍縮局長(60)に聞きました。 ――被爆者の方々との印象的なエピソードを教えてください。 私にとって最も印象深い被爆者との出会いは、2014年夏の長崎でのことでした。谷口稜曄(すみてる)さんにお会いしたのです。紹介されたのは、とても年老いて、笑顔の、虚弱な男性でした。あの有名な背中が完全に焼けた少年の写真は知っていました。そして実際に彼に会えたことが信じられませんでした。なぜなら、この少年は間違いなくこの傷で亡くなったはずだと確信していたからです。ですから彼に会い、その回復力と前向きなエネルギーに深く感銘を受けました。 その後ご逝去されましたが、幼い頃にこれほどの苦難を経験しながらも、非常に印象的で友好的、活力に満ちた方との出会いは忘れられません。もし一つだけ選ぶなら、この出会いを挙げたいと思います。 ――谷口稜曄氏との出会いは、核問題の人道的側面を見いだす上で、非常に画期的な瞬間だったと以前、おっしゃっていたと思います。被爆者の話を聞くことがなぜ重要なのか、教えて下さい。 核兵器について抽象的に語るのはとても簡単です。核兵器や核抑止力に関する言葉、例えば「相互確証破壊(MAD)」のような表現が、核抑止力の議論として日常的に使用されています。それが実際に何を意味しているのかを考える必要があります。 相互確証破壊とは、まったく想像を絶する人道的犠牲と人的被害、そして環境破壊などを意味します。それなのに、核兵器の議論では、このような抽象的で、無毒化された言葉が使われているのです。 一方で、90歳のお年寄りが、自らの体験を千回も語りながら今も震え泣き出す姿があります。それは生涯を決定づけた経験であり、人生の終わりに近づいてもなお涙や震えが止まらない。この現実こそが、いかなる抽象的な言葉よりも圧倒的に力強い。 被爆者の話を聞くことで、核の問題は抽象的な知的議論ではなく、人間的な体験となるのです。それは非常に重要だと思います。 ――米軍による広島・長崎への原爆投下から80年が経過しましたが、世界には依然として約1万2千発の核兵器が存在しています。核兵器のない世界を実現するには、どのようなアプローチが必要だと思いますか。 核兵器禁止条約で私たちが取…この記事を書いた人田井中雅人大阪社会部|核と人類取材センター事務局長専門・関心分野核・軍縮・平和杢田光コンテンツ編成本部専門・関心分野ポッドキャスト、ジェンダー、多様な性関連ニュースこんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ1月19日 (月)グリーンランド求め追加関税大学入学共通テスト 日程終了NHKのど自慢 きょう80年1月18日 (日)阪神・淡路大震災31年フジテレビ問題1年 進む改革新党「食料品の消費税ゼロ」1月17日 (土)顧客500人から着服など31億円大規模運休、夜間工事が原因衆院選「立候補せず」相次ぐ1月16日 (金)立憲と公明、新党結成で合意維新、兵庫県議ら6人除名軽井沢のバス事故から10年トップニューストップページへグリーンランド割譲要求「愚かさ言い尽くせぬ」 米国内でも異論噴出13:10欧州8カ国が声明「関税の脅しは関係損なう」 トランプ氏に対話訴え23:55「急に難しく」なった共通テスト・情報Ⅰ 受験生「予想外だった」21:15立憲・原口一博衆院議員、中道改革連合に入らず 政治団体から出馬へ20:26山上被告は火薬を12時間混ぜ、山で銃を何度も撃った 記者が訪ねた5:00列車が来なくても、売り切れる駅弁 褒め言葉に変わった「田舎料理」10:00