2025.09.17乗りものニュース編集部tags: EV, トヨタ, 自動車, 自動運転, 電気自動車トヨタが次世代モビリティ「e-Palette(イーパレット)」の販売を開始しました。バスとしてだけでなく、さまざまな用途への活用を見込んでいますが、実際にどのような使い方ができるのでしょうか。1台でいろんな使い方ができるバス型EV「e-パレット」販売開始! トヨタは2025年9月15日、バス型のバッテリーEV「e-Palette(以下、e-パレット)」の販売を開始しました。このクルマはバスとしてだけでなく、さまざまな用途に活用が見込めるとのことですが、実際にどのような使い方ができるのでしょうか。拡大画像トヨタが販売を開始したバス型のバッテリーEV「e-パレット」(画像:トヨタ) e-パレットが初めて発表されたのは、2018年にアメリカのラスベガスで開かれた電子機器の見本市「CES2018」でのこと。ここでコンセプトカーが披露されると、翌2019年の「東京モーターショー」で実用化モデルが発表されています。それから2年後の2021年に開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック」では、選手村内を巡回するバスとして使用され、その後も実用化に向けた開発が進められてきました。 このe-パレットはバス型でありながら、そのほかの様々な用途も1台でこなせる新しい乗り物として開発されています。 車体サイズは全長4950mm×全幅2080mm×全高2650mmと、バスとしては比較的小柄にまとめた一方、室内空間は長さ2865mm、幅1780mm、高さ2135mmの広いスペースを確保しました。最高時速は80km、航続距離は最大で約250km。乗車定員は17人(座席4人、立席12人、運転手1人)となっています。 また、ボディサイドに大型のスライドドアと電動スロープを装備するほか、床面の高さを10cm下げることができる車高調整機能も搭載しており、車いす利用者なども乗り降りしやすいよう設計されています。 こうした利便性の高さを活かし、トヨタはe-パレットを幅広い用途に活用していく想定です。例えば、朝・晩はシャトルバスとして乗客を運び、昼間は車両を停めて充電しつつ、移動販売の店舗として用いるといった、異なる用途で使い分けることが可能です。 さらに、e-パレットは本格的な無人運転での活用も見据えています。システム自体は今のところ「レベル2(運転操作が部分的に自動化された、2025年現在で一般的なレベル)」相当の自動運転まで対応していますが、2027年には「レベル4(特定の条件下で完全自動運転が可能)」に対応したモデルを市場に導入する目標です。 e-パレットの販売価格は税込み2900万円からで、環境省による補助金(1583万5000円)の助成対象となっています。まずは10月に開業する東京・お台場の「トヨタアリーナ東京」とその周辺、さらに静岡県裾野市にトヨタが建設している実験都市「ウーブン・シティ」に導入され、さまざまな活用手法を模索します。また、一部の地方自治体などとも連携しつつ、自動運転の実証実験なども進めていく方針です。【スゴい形のハンドル付き!】これがトヨタの「新型EV」です(写真で見る)