勇気や規律、身体鍛錬…「男らしい」近代スポーツ 「呪縛」解ける日は

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毎日新聞 2025/12/28 06:02(最終更新 12/28 06:02) 有料記事 3420文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷陸上の世界選手権東京大会の開会式であいさつをする世界陸連のセバスチャン・コー会長=東京・国立競技場で2025年9月13日、長澤凜太郎撮影 「男らしさ」の概念は時代とともに変わる。 私たちが知るスポーツもまた、「男らしさ」の価値が内在している。その源流は、18世紀末から19世紀にかけて英国で生まれた近代スポーツにさかのぼる。 男女で区分けする「性別二元制」の限界が指摘される中、スポーツの未来はどのように変わるのだろうか。遺伝子検査導入 男女分ける二元制 「女性スポーツを守る」 世界陸連(WA)のセバスチャン・コー会長は記者会見のたびに、そう繰り返してきた。 世界陸連は今秋から、女子種目の参加者に対して遺伝子検査の導入を義務づけた。競技の公平性を守るためだと説明するが、遺伝子は究極の個人情報である。なぜそこまでして男女の区分けにこだわるのか。 学識者やアスリートをはじめ、さまざまな立場の人への取材を重ねた。その中で記者(私)が最も納得できたのは、早稲田大教授(西洋ジェンダー史)の弓削尚子さんの見解だった。 「WAは『女性を守る』と言いながら、男性の権威や地位を守ろうとしているように聞こえる」 19世紀ごろまでに英国で盛んになったサッカーやテニス、陸上競技などは、近代スポーツと呼ばれる。 当初は女性を排除し、勇気や規律、身体鍛錬などの「男らしさ」を学ぶ文化として発展してきた。男女を区分けする「性別二元制」は譲れない一線なのだ。 弓削さんは近著「入門 男らしさの歴史」(ちくまプリマー新書)において、「男らしさ」の規範や男性の身体観は時代とともに変化してきたことを明らかにしている。 例えば、ドイツでは2024年11月、専門家の診断によることなく、自己申告で法的な性別や名前を変更できる「自己決定法」が施行された。ドイツ政府によると、同様の法律を持つ国はアルゼンチンやベルギーなど16カ国以上ある。 スポーツ界が男女について判断する際に絶対視する男性ホルモンのテストステロンの数値や性染色体も、社会における男女の区分けには必ずしも必要ではないのだ。 弓削さんは「オリンピックはそれ(自己決定法の理念)を認めないかもしれません」と前置きしつつ、「(性別二元制に基づく)モデルはかつての影響力を失い、新たな性別認識モデルに取って代わるのかもしれない、そんな時代が近づいている」とつづる。 後半の主な内容 ・「偏見」ないのが日本の強さ? ・フィギュアは表現を自由に追求 ・「1世紀のチャンピオンは…」 「男らしさ」の概念が揺らぐ中、弓削さんが期待するのは、フィギュアスケートやダンスなどの身体表現だ。 スポーツをジェンダーやセクシュアリティーの視点から研究する立命館大教授(スポーツ社会学)の岡田桂さんも、フィギュアスケートに関心を示している。 フィギュアスケートは近代スポーツが生まれた1…この記事は有料記事です。残り2290文字(全文3420文字)【時系列で見る】関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>